第21回 JIA関東甲信越支部 大学院修士設計展 2023

月の静穏

- 建築設計と小説執筆からソウゾウする2150年の月世界 -
氏名
青木快大
所属
東京理科大学大学院
理工学研究科 建築学専攻
研究室
垣野研究室
作品概要

現在、アメリカを中心として月面開発の機運が高まっており、月面都市は夢物語ではなくなってきた。月面開発は国家レベルで着々と進んでいるが、その盛り上がりは宇宙に関心がない人には伝わっていないように感じている。これは、非宇宙系の人にとって月面で暮らすことが自分ごととして親近感を持って捉えられていないことが原因だと考える。
そこで、月面での暮らしを詳細に考える設計をすることにより、より多くの非宇宙系の人が月面開発に親近感を持ち、楽しめるようになることを目指す。
月面での暮らしをリアルに考える方法として、物語「月日記」の執筆と共に建築していく方法をとる。物語は、月世界が発展した2150年に2人の20代女性の主人公、バナとミンスタが、様々なところへ出向く日常を描いたものとなっている。この2人が住むシェアハウス「2人の住宅」が設計対象である。
「2人の住宅」の敷地は月面南極点付近である。南極付近なので、太陽光は年中地平線の近くを通る。大きなクレーターの麓の斜度約15度の斜面に建つ。
設計は、円筒形のインフレータブル構造の躯体を、ドーム状の3DP工法で作られた外皮が覆う。円筒は縦長で地中に長く伸びており、低重力を活かして立体的に空間を使うことができる。ドームは放射線や隕石を遮蔽する役割を持ち、一部分を抉るように穴が開いている。そこでは宇宙服を着て月面に出るが、家の中のような、中間領域のような空間ができている。

作品イメージ

Profile

略歴

1999年 福島県生まれ

2021年 東京理科大学 理工学部 建築学科 卒業

2023年 東京理科大学大学院 理工学研究科 建築学専攻 修了