第21回 JIA関東甲信越支部 大学院修士設計展 2023

MONOSASHI

建築物とものを同時に扱う設計論の提案
氏名
古岡ひなの
所属
東京電機大学大学院
未来科学研究科 建築学専攻
研究室
建築設計研究室
作品概要

さまざまな価値観を持つ人々が共に生活をするシェアハウスでは他者との交流が生まれる一方で、トラブルが起こることもある。ルールを作るだけではなく、人と人が様々な距離感で関わり、それぞれがより豊かに暮らす方法はないだろうか。
本設計では、シェアハウスの設計に、モノの所有概念を加えることで、家族やジェンダーの枠組みを超えた新たな空間と多様な住まい方を構築することを目指した。

昨今の多様化した所有概念を調べるため、モノを減らそうとするミニマリストとモノを多く集めるマキシマリストを調査対象とした。SNSによる調査を行った結果、両者には「本当に大切なものを見つけ豊かさを得る」という共通の目的意識が挙げられ、モノの整理整頓が自己分析につながっているケースが多くみられた。これらの「モノが持つ心理性」と、「空間とモノの関係性」をヒントに、住み手の感覚の空間化を行い、モノを場所同士の関係性や距離感を生み出す要素としてとり扱う。

人々はシェアハウス内の多様な空間を横断しながら、それぞれの心地良い場所を見つけ、住み着き、更新していく。
モノ視点からの設計が距離感の設計となり、人と人がさまざまな距離を選び取り暮らすことが、新たな共同生活のあり方や人々の住まい方につながるのではないだろうか。

作品イメージ

Profile

大田区生まれ

トマトとビールが好き