第21回 JIA関東甲信越支部 大学院修士設計展 2023

健康長寿を目標とした地域住民の交流と運動を促す施設の設計

清水桜ヶ丘公園再整備計画
氏名
武田純佳
所属
昭和女子大学大学院
生活機構研究科 環境デザイン研究専攻
研究室
森部康司研究室
作品概要

日本の「平均寿命」は年々延びており、それに伴って生活する上で介助を必要としない期間である「健康寿命」も延びている。この内容だけ聞くと、「元気な高齢者が増えている」と考えるであろう。しかしそうではなく、実際は高齢者人口に対して介助を必要とする高齢者の割合が減ってきているだけであって、65歳以下の労働人口と比較したら、1人で支えなければいけない高齢者人口の割合が増えている。このまま少子高齢化が進み、介助を必要とする高齢者の数が増えたら社会構造が成り立たなくなってしまう。この問題を解決するためには、健康で長く自分一人で生活ができる高齢者を増やす必要がある。
そこで長寿県である長野県と健康寿命の長い健康長寿県である山梨県、愛知県、静岡県の共通点を調査した。その結果、傾斜地を日常生活で上り下りすること、日照時間が長いことが要因であると統計値よりわかった。また山梨県には「無尽」、愛知県には「喫茶」といった文化があり、人との交流の場があることがわかった。健康寿命の延びが今後停滞することが考えられ、平坦な土地が広がる静岡市清水区に敷地を選定し、健康長寿を目標とした地域住民の交流と運動を促す施設を提案する。室内外にスロープや階段を施し、そこを歩いているときに人々の活動が垣間見え、歩くことが楽しくなるようにすることを試み、ここに賑わいが生まれることを期待した設計である。

作品イメージ

Profile

略歴

1998年 静岡県静岡市出身

2017年 静岡雙葉高等学校 卒業

2020年 昭和女子大学 環境デザイン学科 卒業

2023年 昭和女子大学大学院 生活機構研究科 環境デザイン研究専攻 修了