第21回 JIA関東甲信越支部 大学院修士設計展 2023

真鶴の人と海と大地の結節点をつなぐ

自然を受け止める建築の提案 ―まつり×魚市場
氏名
小林明日香
所属
昭和女子大学大学院
生活機構研究科 環境デザイン研究専攻
研究室
杉浦久子研究室
作品概要

神奈川県真鶴町における古代からの長期的な時間、空間軸を用いた建築の提案を試みる。現地調査より、真鶴の歴史、地形の意味、漁業中心の生活、貴船まつりの文化を守り、継承することを目的とし、「まつり」と「魚市場」には自然の恵みを受け止める場所という共通点があると考え、これらをかけあわせた建築を提案する。対象となる敷地は3つ選定した。
真鶴町は海、それから古代の火山噴火による溶岩をベースとした緑豊かな半島、起伏のある土地に住む人々が創り出した集落がある。かつて集落と「三ツ石」という神聖な場所がある半島は、真鶴港をまつりで船が横断する経路「海の道」で繋がっていた。この歴史より、人の暮らす集落と神聖な半島をつなぐ「海の道」が、「真鶴の人と海と大地の繋がりを示す原点」であると考え、まつりで船が横断する際、海と陸地の境目となる2つの場所を「結節点」とした。これらを「海の道」で再び繋ぐことを提案する。また「結節点」には、各場所性に基づく魚市場(敷地1)仮殿(敷地2)船着き場(敷地1,2)の設計を行い、敷地3には2つの敷地と集落、半島を俯瞰することのできる視点場として見晴らし台を設計した。
古代から今に続く文脈を活かし建築の提案を行うことで、希薄になっている真鶴の原点「海の道」と「三ツ石」への意識を再構築する。時代が変化してもこの場所に建築が存在し続けることで、真鶴の生活と文化を継承されてゆくことを期待する。

作品イメージ

Profile

略歴

1999年 兵庫県生まれ

2021年 昭和女子大学 生活科学部 環境デザイン学科 卒業

2023年 昭和女子大学大学院 生活機構研究科 環境デザイン研究専攻 修了