Gallery作品詳細

なにわの水舞台
- 浪花百景の現象学的分析による空間の再構築 -

氏名
篠原 麻衣
所属
東京理科大学大学院
理工学研究科 建築学専攻
研究室
山名善之研究室
作品概要

都市景観は社会の記憶を表象するもの。本設計はなにわを舞台に、錦絵を契機に水が媒介する都市の記憶を読み解くことで失われた水のイメージを再考した作品である。

なにわの水景において交通手段の変化や再開発による場所性の損失により人々は水と共に生きる記憶が忘れてしまった。しかし今でも残っている水の回廊により場所同士は繋がっている。今回新しい水景を再考することで昔より紡がれてきた面影を残しつつ、人々の記憶が場所と結びつくことで社会の記憶を醸成する。そのために江戸期なにわの水景を描かれている「浪花百景」に着目した 。

水のイメージ:欲望する/継承する/移ろいゆく/躍動する
象徴するガストン・バシュラールやノルベルグ=シュルツの理論を参照しながら、浪花百景を現象学的に捉え、浪花百景に描かれたこの5つの水のイメージを再構築することで新たな水舞台を描く。水は見られる対象でもあり見るための視点場でもある。描かれた水景には江戸期なにわの面影を感じながらも、現代人によって新たな行為が生みだすことが出来る。

これらの水景はひとつの川で繋がっている。そのため単体の水景を設計するだけでなく、複数のこれらの水景を創造することには、なにわ全体の水舞台を鑑賞することができる意味がある。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    1997年
    兵庫県姫路市生まれ
    2019年
    東京理科大学 理工学部 建築学科 卒業
    2021年
    東京理科大学大学院 理工学研究科 建築学専攻 卒業

一覧へ戻る