路上利用の活用として、商店街のファサードのリノベーションとそれに伴った内部空間のデザインの提案を行う。

近年、路上営業の緩和や路上利用の社会実験等が行われ、外への利用が活発になってきている。これからの街並みに対してどのような建築の使われ方をするのか考えていきたい。

こうした背景から、建物のファサードが建ち並ぶ商店街を対象として、街並みや建築に豊かな空間を形成することを目的としている。

設計をするにあたって、内と外の境界面である扉に着目した。扉は普段閉じられているものであり開けてもすぐに閉じてしまう。また、開け放したとしても空間の間仕切りにはなっていない。扉が途中でとまり、開けた状態を常に保ちつつ空間に変化を与えられる扉を考える。そこで可動間仕切りに特徴のあるシュレーダー邸を分析すると、既にL字で閉じられていたり、斜めに空間を仕切るなど一般的な操作ではあるが、少し複雑にするだけで大きな効果をもたらすことが研究から導き出された。

そこから私は扉とそれに取りつく柱、迫り出すデッキなど扉に取り巻く様々な建築エレメントを設計した。組柱・壁柱・丸柱など様々なパターンに合わせた扉のふるまいを考えることで、建築と路上の関係を強くし、建築単体だけでない空間の可能性を広げる。