本設計は、南極や砂漠などの極地に建築を計画する際の、構造及び施工分野における、建築技術の発展の可能性を目的としている。

計画地は過酷な自然環境である南極大陸を選定し、過酷な自然環境である事から設計条件を整理し、建築計画に対応した構造システムの提案を図っている。運搬輸送の軽量化を図るためアルミニウムによる伸縮自在な展開構造とし、合理的で容易な施工による仮設プレファブ建築を提案し、短期間での施工を可能としている。

構造解析として、積雪荷重と多方向からの吹雪による風荷重に対しての検討を行った。展開を可能とする接合部は、施工及び応力伝達としても重要であり、1/2のモックアップを作成し、その有効性を確認している。また、厳しい寒さに対する温熱環境に対しては、断熱材の性能とヒートブリッジに配慮した取り付けと仕上げ材を選定した。

施工性に優れたプレファブユニットの提案でもあるが、極地に限らず災害地域の仮設建築や、他の惑星への居住を始める方法についての洞察さえもたらす可能性を有していると考えている。