Gallery作品詳細

切断と接続のあいだ
- 後付けバルコニーから思考する開いた建築手法 -

氏名
小川 恭平
所属
芝浦工業大学大学院
理工学研究科 建設工学専攻
研究室
堀越英嗣研究室
作品概要

現代の街は機能的・制度的に計画され尽くした。それに伴い我々現代人の暮らしは、限定的で受動的な日々を過ごしている。そのような一義的な都市環境に、人々が主体性を持って能動的に暮らし始めるきっかけを与えたい。

そこで本研究では、街中でよく見かける他者の意図やシステムに従属しない「後付けバルコニー」という存在に着目し、フィールドワークを通して考察を行なった。後付けバルコニーという存在は、住宅に取り付き機能的に一体化していようとも常に異物として自由な振る舞いを魅せ、自律しているようであった。それは同時に道に溢れ出た植栽などとも近い関係に捉えられることや、様々な解釈の仕方にも寛容であった。

その後付けバルコニーから見出される性質を「建築の何らかのネットワークから切断されることによって、新たな異なる関係へと接続する可能性が開かれた事物」として定義を行なった。それを本研究では「切断と接続のあいだ」と名付け、他のエレメントへと敷衍させる概念とし、事例分析を経て建築手法を確立した。

その建築手法を用いて、本計画では街の更新期にある江東区南砂町を敷地にワークプレイスの計画を行った。この計画は「人と人」の関係を結ぶ場のみならず、住人が街を再解釈しながら居場所や活動を読み込み続けられるといった、能動的暮らしを可能にする「人と街」を結ぶ建築提案である。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    1997年
    千葉県流山市生まれ
    2015年
    東洋大学附属牛久高等学校 卒業
    2019年
    芝浦工業大学 工学部 建築学科 卒業
    2021年
    芝浦工業大学大学院 理工学研究科 建設工学専攻 修了予定

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