Gallery作品詳細

道具的建築
- 「プライマリー・ストラクチャー」の特性に着目した地域交流拠点の設計 -

氏名
柳沼 明日香
所属
日本大学大学院
理工学研究科 建築学
研究室
佐藤光彦研究室
作品概要

農村、漁村という生産地域のイメージである風景の中に、食物を干すための架構や陶器を生成する釜など、生産のための構造物が出現しています。これらの構造物たちは、生産者たちが効率よく作業を行えるように改良を重ねてきた装置です。そのため、構造物たちがもつディティールには、環境や需要の変化など、出会う問題に対して一つ一つ解答しているような明快さがあり、生産者たちはそれを自分の手先や道具の延長であるかのように操作し、つかいこなしているようにも見えます。

本研究では、こうした構造物を「プライマリー・ストラクチャー」(以下PS)と呼ぶことにし、これらが持つ特徴が環境に対してどう応えているかを把握し、建築を設計するエレメントとして扱います。自然環境に呼応しながらも、人間が能動的に使うことのできる建築を設計する指針を示しました。

PSは人の手と密接に関わる道具であり、自然要素・モノ・人のふるまいの結節点です。修士設計を通してPSを取り扱う中で、人間離れした近現代の建築を、人の所作、手先の延長にあるような身近なものに戻していくための可能性を探りました。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    1996年
    福島県田村市生まれ
    2018年
    日本大学 工学部 建築学科 卒業
    2020年
    日本大学大学院 理工学研究科 建築学専攻 修了