Gallery作品詳細

心地よい雑然さ
- 境界の干渉から考える空間の多様性 -

氏名
杉沢 優太
所属
芝浦工業大学大学院
理工学研究科 建設工学専攻
研究室
堀越英嗣研究室
作品概要

機能性を重視したモダニズム以降の建築は空間を単位に計画を行ったため、単調になってしまった。一方で下町のアノニマスな建築には『心地よい雑然さ』ともいうべき空間が存在する。敷地の形状や周辺とのせめぎ合いなどが生み出す複雑さが境界面に見られる。それ故、空間の質は多様であり可能性を感じるのである。

本研究は、現代建築が抱えているヴォキャブラリー不足を背景に、それを解消するための建築設計ヴォキャブラリーを下町のアノニマスな建築から発見・確立することを目的としている。

『心地よい雑然さ』を「境界の干渉」という視点で分析を行い建築設計のヴォキャブラリーへと昇華する。そこで「境界の干渉」を『接続方法』と『素材』に分けて分析を行い、その組み合わせからなる『空間性質』を用いて、東京都中央区八丁堀にワークプレイスを提案する。

設計の手掛かりとして「壁面によるフレーミング」「屋根によるフレーミング」「屋根による開放性」「階段による誘引」「床による領域拡張」「壁面による領域拡張」「柱・梁による領域拡張」「屋根による領域拡張」「ヴォリュームによる領域拡張」の9つの空間性質を用いる。

本計画はネガティブに捉えがちな周囲を高層ビル群、雑居ビル群で囲まれた敷地を選定し周囲の雑然さを取り込むことで、ポジティブなものへと転換するものである。それは雑然さを応用することで建築がより豊かになることへの展望を示すものである。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    1995年
    神奈川県横浜市生まれ
    2014年
    横浜市立みなと総合高校 卒業
    2018年
    芝浦工業大学 工学部 建築学科 卒業
    2020年
    芝浦工業大学大学院 理工学研究科 建設工学専攻 修了予定