Gallery作品詳細

小規模庁舎建築の再考
- 群馬県川場村役場の提案 -

氏名
関 彩香
所属
工学院大学大学院
工学研究科 建築学専攻
研究室
冨永祥子研究室
作品概要

地方の役場に行くと、まちの中心的な機能を担う施設であるにも関わらず、薄暗い空間に均質的な執務構成であることに疑問を感じる。役場こそ地域性を持ち、市民の日常となり、まちの中心になってもよいのではないだろうか。

近年多くの大規模庁舎建築が更新されていくのに対して、地方の小規模庁舎建築の多くは財政難により建て替えることができず現在も旧態依然のまま使われつづけている。今後、地方庁舎は人口減少や合併問題など不安定な状況に対し柔軟性を迫られている中、大規模庁舎を模範とするのではなく、地方らしい庁舎のあり方を見直す必要があるのではないかと考える。

そこで本研究では、庁舎建築の建築的変遷と2000年以降の小規模庁舎建築の事例分析を行い、これからの小規模庁舎建築のあり方の再編を試みた。研究から従来の執務構成の再考と機能の見直しの必要性があると考え、新たな「雁行型」の執務構成と行政機能の集約化がこれからの小規模庁舎らしいあり方なのではないかと考えた。また小規模庁舎はいずれ合併により、行政機能が失われることを予想した上で計画する必要がある。行政機能を失っても、冗長性を備えることで、機能変化後も住民の愛着となり続ける建築を計画する。同時に、提案敷地の群馬県川場村の役場の変遷と現状から庁舎における地域性を見出し、地域の核となるこれからの小規模庁舎建築の提案を行った。

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作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    1995年
    群馬県生まれ
    2018年
    工学院大学 建築学部 建築デザイン学科 卒業
    2020年
    工学院大学 工学研究科 建築学専攻 修了