Gallery作品詳細

市民力がもたらす新しい公共性
- 自発的労働がつくる町 -

氏名
中島 滉平
所属
法政大学大学院
デザイン工学研究科 建築学専攻
研究室
赤松佳珠子研究室
作品概要

 労働とは朝から晩まで働くこと、ある程度の特異な技術を持つことなどと捉えがちだが、地域での生活で培ったことが地域社会を支えることができるのではないかと考えた。

 雇用・被雇用の関係ではなく、市民自らが地域社会の課題を発見し、解決していく「自発的労働」を誘発・サポートする建築を設計する。

 今日の多様化し高質化した市民の生活に対するニーズは行政が提供するサービスの枠を超えている。しかしその中で溢れたニーズを、市民たち自らが見つけ、解決に向かう「ワーカーズコレクティブ」という活動がある。こういった活動は営利ではなく地域貢献を第一に掲げており、生活して感じた不満や不安をヒントに、市場原理では成立しないことを業務の対象としている。しかし現状はそれぞれが小さくバラバラに活動してしまっているため、参加人数や貢献度に限界がある。そこで「自発的労働」の拠点及び市民が気軽に労働に参加できる建築を設計し、市民の力によって創られる町を創造する。この建築に関わることで、市民は自分の生活を見直し、それをより良くしていこうとする意識が芽生える。そのニーズを共有し、市民の間で新しい共同体が結成する。

 今、一人一人がただ住むのではなく共に生きる活動をするといった意識を持っている市民はどれほどいるのだろうか。市民同士の生活の支え合いは、地域社会を立て直す大きなカギとして見直されるべきであるだろう。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    1994年
    埼玉県生まれ
    2017年
    法政大学 デザイン工学部 建築学科 卒業
    2019年
    法政大学大学院 デザイン工学科 建築学専攻 修了