Gallery作品詳細

日光門前における空間と営みの処方箋による町家・町並みの再生計画

氏名
髙橋 広野
所属
宇都宮大学大学院
地球環境デザイン学専攻
研究室
安森亮雄研究室
作品概要

 栃木県日光市日光門前は、江戸時代の東照宮造営以来、世界遺産「日光の社寺」の門前町として栄えてきた。現在、長期にわたる街道の道路整備の途中であり、一部の区間では整備が完了したものの、東照宮手前の伝統的な町家が残る地区は未整備のままであり、今後の景観形成を考える上で重要な時期を迎えている。街道沿いには、見世蔵や看板建築というように、人々の営みが反映され時代とともに変化してきた多様なタイプの町家が並んでおり、今後の道路整備を踏まえた上で、次世代の町家と、それらの集合による町並みを考え直す必要がある。

 次世代の町家・町並みを構想する上で、町並みを建築などの物理的なものの集合だけでなく、そこに人々が生きること含めたものと解釈し、「空間」と「営み」の二つの視点を重要視した。その上で、日光門前に特有の「日光らしさ」を表す要素を「らしさ要素」として抽出し、町家タイプを明らかにし、修景セットとなる処方箋を考案した。

 本計画では、今後整備される鉢石地区の町家を、空間と営みの両側面から分析し、町家タイプと町並みの課題となる症状を明らかにした。さらに、症状に対する修景手法のセットである処方箋を提示し、それらの組み合わせによって新築町家・改修町家・空地デザインを設計することで、町家・町並みの再生計画を提案した。

 こうした症状の分析から導き出される処方箋による設計手法によって、大きく変わりつつある町並みにおいて、「らしさ」を失うことなく、これまでのまちを次世代へと繋げていくことができると考えられる。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    2012年
    宮城県仙台第一高等学校 卒業
    2017年
    宇都宮大学 工学部 建築・都市デザインコース 卒業
    2017年
    Balcelona Architecture Center
    2018年
    Japan and Denmark Architectural Studies
    2019年
    宇都宮大学大学院 工学研究科 地球環境デザイン学専攻 修了