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「回復の基準点」 - 通時的共時的発展を目指す脱病院化社会モデル -

氏名
冨安 達朗
所属
法政大学大学院
デザイン工学研究科 建築学専攻
研究室
渡邉真理研究室
作品概要

健康とは。病とは。現代の医療システム≒病院建築は、患者生産工場と化し、人間の誕生から死までを技術の管理下におく。それは専門家依存・身体環境の意識低下など、医療機構自体が健康に対する脅威になりつつあることを意味している。幾つもの病院で機能不全が起きている日本において病院というビルディングタイプは変化を求められている。本計画はIvan Illich,『脱病院化社会』を下敷きに「自覚的な健康/身体環境への意識」を回復させる場を構築することを目的とし、新しい社会インフラとしての医療の在り方とこれからの病院建築の在り方とを再考するものである。
準医療圏形成のために、医療圏を広げ治療施設と生活圏を間で繋ぐ「建築」と自覚的な健康/身体環境への意識を回復させる「機能」の計画をパラ-プログラミングによって行う手法を提案し、そのプロセスにより2つのモデルが形成された。
A/変容モデル_旧病院棟保存部分を含む区域の東側ウイング改修計画案
B/融和モデル_Aから摘出された機能を核とした3つの街に接続する拠点案
計画対象周辺には医療施設が集中しており、独立していた建築群をひとつの集合体・医療圏として捉え直す計画を行った。形成された準医療圏はこれからの医療と個人の関係を改善するものであり、 人々の自覚的な健康 / 身体環境への意識の回復へと繫がるはずである。医原病から脱却したとき病院建築は新しい社会インフラとして生まれ変わるのではないだろうか。

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プロフィール

  • 略歴
    1993年
    静岡県生まれ
    2016年
    法政大学 デザイン工学部建築学科 卒業
    2018年
    法政大学大学院 デザイン工学研究科建築学専攻 修了