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周縁のつむぎ
斜面林からはじめる郊外住宅地の再考

氏名
前波 可菜子
所属
法政大学大学院
デザイン工学研究科
建築学専攻
研究室
渡邉真理研究室
作品概要

郊外住宅地の台地の周縁に残る斜面林沿いにつくる「高齢者のための家」の計画であり、「地域の人にとっての居場所」の計画である。そして同時に、機能によって明確にわかれてしまった家や道、農地等をつむいでゆく計画である。
「高齢者のための家」の計画とは「高齢者のための居場所」の計画であり、ここでいう「家」は「生活する居場所」である。「地域の人にとっての居場所」も同様で、どちらも「家の拡張、もうひとつの家」といったイメージである。
敷地は千葉県市川市大野町。農村が宅地開発されベッドタウンとなった、ありふれた風景の広がる地域である。
対象敷地は1kmほどの台地の周縁部に残る斜面林沿いで、台地の周縁部は農家や近年の新しい住宅地による、ミニ開発によって出来た細い道や、私有林によってその環境にむらがある。リサーチを重ねることで、地形や斜面林の性格を評価し、斜面林沿いの修復や環境保全と同時にプロジェクトを展開する。対象地域の接する畑や住宅は、今も増えている耕作放棄地や空き屋などによってストックで溢れてゆく。この斜面林沿いが新たなネットワークとして機能することで、接する場所を利用することが出来る上に、ここに残る生業や空き家を有効活用する手だてとなる。
台地の周縁をつむぐという、郊外住宅地の更新のあり方の提案である。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    1992年
    千葉県生まれ
    2015年
    法政大学 デザイン工学部 建築学科 卒業
    2017年
    法政大学大学院 デザイン工学研究科 建築学専攻 修了