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湯河原の家

氏名
堀越 一希
所属
東京理科大学大学院
理工学研究科
建築学専攻
研究室
岩岡研究室
作品概要

 私は住宅を設計した。わりと普通の背格好だが、なんだか少し気持ち悪い。「あの部分は一体何だ?」と疑問符がつくような、それでいて地域の愛着を一身に受けている奇妙な住宅である。

 私が行ったのは、《建築の「構成材」を別々のしかたで設計し、一つ一つに固有名詞を与える》というものだ。すなわち、ここで設計され名付けられる「構成材」たちは”壁”や”梁”といった単純なものではなく、新しく個性(キャラクター)の与えられた、ある特定の機能を有する意味深なオブジェクトなのである。
 固有名詞を与えるという行為の価値は、単に意思表現のツールである。しかし、重要なのは全体ではなくあきらかに部分=建築される前「構成材」の段階からバラバラの作家性を与え、他者に解釈されることを前提に設計をするという行為にこそある。

 本設計は建築を構成するエレメントを一品生産のプレファブ化とも言えるしかたで作り、組み上げ、地域という具体的な敷地に着地させ、全体性を獲得するまでを描いた試論である。

作品イメージ

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プロフィール

  • 略歴
    2017年
    東京理科大学大学院 理工学研究科
    建築学専攻 修了