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風のマンダラ都市
ジャイプルの伝統的建築を参照した立体マンダラ建築の考案

氏名
新居 壮真
所属
東京工業大学
理工学研究科 建築学専攻
研究室
奥山研究室
作品概要

北インドに位置するジャイプルは、18世紀初頭にヒンドゥー的都市理念に基づいて計画された、現存する数少ない都市である。この都市は、マンダラ図に基づいた同心方格囲帯状の街区構成をとり、それぞれの街区は伝統的な中庭型建築が密集している。近年では、都市人口の増加に伴う街区の高密化や建物の高層化が進み、更に都市の近代化を背景とした中庭のない無性格な建物への建替が進行している。今後、都市の文化的価値を生かした観光都市としての開発が予想されるジャイプルでは、伝統的な建築形式を継承するための建築的戦略が求められている。本計画では、まずジャイプルの伝統的建築から新たな建築を構想する知見を得るために、その特徴がボイドにあると考えた上で、多数のボイドの複合表現とボイドが面する壁面・床面の表現という観点から代表的な伝統的建築を整理した。次に、街路の過密化に伴う人々の活動を受け入れる新たな公共空間の需要に対して、屋上空間が隣家と連続している既存建築の屋上を一体的な公共空間として開放することを考え、地下鉄新駅に接続する敷地を対象に、地上から屋上へ人々を導くネットワークの拠点として、ボイドが三次元的に構造化された建築である立体マンダラ建築を考案した。このことによって建物の境界を超えて街路から屋上まで人や風が行き来し、ボイドを中心とした屋上空間に風に包まれ、多様な人々の生活風景が広がる風のマンダラ都市を提示する。

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プロフィール

  • 略歴
    1992年
    徳島生まれ
    2015年
    東京工業大学 工学部建築学科 卒業
    2017年
    東京工業大学大学院 理工学研究科 建築学専攻 修了