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ポストテンションと3Dプリンターによる曲面成型手法に関する研究

氏名
田野口 紘大
所属
東京藝術大学大学院
美術研究科 建築専攻
研究室
金田充弘研究室
作品概要

デザインと工法は互いに支え合う関係にある。
情報技術を建築設計に応用することによって環境や構造に合理的な計画が可能になってきたが、合理性によって導き出された多様化する形態にアップデートされていない現場はかえって以前より複雑性を増している。
アップデートされた設計手法にはアップデートされた建築工法が求められている。
本計画では一種類の曲面パネルを成型するのに同じ種類のメス型曲面型枠を用いらなければならなかった現状に対し、3Dプリンターとポストテンションを用いることにより一種類の平面型枠からバリエーションのある曲面パネルを成型する手法を考えた。
鉄筋コンクリートの鉄筋にあたるモデルを3Dプリンターで作成し、コンクリートにあたる部分はシリコンを用い、硬化させた後に内部に通しておいたワイヤーを引っ張ることで曲面成型を行う。
この手法は内部に埋め込む3Dプリンターのモデルを変更するだけで様々な種類の曲面を成型することができるので、モデリングに専門知識がない施工技術者と作業を分担しながら協働して制作が行うことが可能だ。
将来的にはシリコンより固い樹脂やコンクリートで実現することを考えている。
今回は3Dプリンターの素材がまだプラスチックより固いものが使えなかったため、シリコンを用いているがいつか金属の3Dプリンターが一般的になってきた時、より大きな意味をこの計画は持つと思う。

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プロフィール

  • 略歴
    1991年
    大阪府生まれ
    2014年
    東京理科大学 理工学部 建築学科 卒業
    2017年
    東京藝術大学大学院 美術研究科 建築専攻 修了