作品詳細
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継承する廃墟
- 釡石鉱山選鉱場跡地をウイスキー蒸留所と宿泊施設へ -

氏名
柴田 侑亮
所属
法政大学大学院
デザイン工学研究科 建築学専攻
研究室
下吹越武人研究室
作品概要

岩手県釡石市は近代製鉄業発祥の地である。この場所に釡石鉱山選鉱場の跡地が存在する。選鉱場とは鉱石を発破によって採取するようになった頃から、鉱石とそうでないものを選鉱する場所である。斜面地に建つ堂々たる姿は現在解体されてしまったが、基礎・擁壁部分は今もなお姿を残している。釡石の歴史的アイデンティティともいえるこの場所を、維持・更新していくことを今修士設計のテーマとする。

その為には、釡石市全体の中でこの場所をどのように位置付けるかが重要である。私は、釡石市に存在している様々な可能性を調査し、「生産の場」「新たな拠点」としての機能がこの場所にふさわしいと結論付けた。「生産の場」として具体的にウイスキー蒸留所を提案する。釡石市には鉱山から採取できる天然水が存在する。釡石港によって流通面の確保、豊富な木資源は樽や発酵槽に最適である。

原料の大麦は隣盛岡では盛岡冷麺が有名なほどの産地である。そしてウイスキーに重要な蒸留器は銅でつくる必要があるが、釡石鉱山では銅の採掘も行っており、現在でも銅鉱石は存在している。釡石市に存在する資源をフル活用することで、完全釡石産ウイスキーづくりは可能である。また釡石には多くの産業遺構が存在する。その一つ、橋野高炉は世界遺産に登録された。そうした多くの遺構は市街地からのアクセス難が問題点である。よって選鉱場跡地を利用した宿泊施設を提案し、新たな拠点づくりを目指した。

プロフィール

  • 略歴
    1991年
    東京都生まれ
    2014年
    法政大学
    デザイン工学部 建築学科 卒業
    2016年
    法政大学大学院
    デザイン工学研究科 建築学専攻 修了