作品詳細
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眼差しの写実
- 町を歩いて見つけた場所とその観察によって考えられる建築のあり方 -

優秀賞
氏名
齋藤 直紀
所属
東京理科大学大学院
理工学研究科 建築学専攻
研究室
安原幹研究室
作品概要

今そこに在るものを取り払い、敷地をゼロにして新しいものを作っていくことだけが、果たしてそこに住む人々の生活を豊かにすることなのだろうか。新しいものを作る時に一番最初にやるべきなのはその場所を丹念に見て回ることで、建築はその場所の観察から生まれてくるものだと考えている。

観察を続けていく中で見つけた、町の中に埋もれた840m の道の中に点在する、見ようとしないと見えてこないものたちに眼差しを向ける。
それらの魅力を顕在化させ、アクセシビリティを獲得し、その場所がどのように使われれば、市民の為のパブリックスペースとして最大限活用されるのかを考え、840m の公民館の計画を行う。

この道を形づくる要素たちに新鮮なまなざしが向けられることで、既存のものたちとの新たな関わり方が生まれる。840m の道の中で再び価値を取り戻したものたちは空間として人々に提供され、このまちを歩いていく中で連続的に発見される空間が、この道の新たな表情をつくる。
既にここにあったものたちによって生まれる、これまでここに無かった空間やシーンは、この場所でしか成り立たない、いきいきとしたこのまちの風景になり、ここから生まれた関係が水脈のように町全体に広がっていく。

プロフィール

  • 略歴
    1991年
    群馬県生まれ
    2014年
    東京理科大学 初見研究室 卒業
    2016年
    東京理科大学大学院 安原研究室 修了
    受賞
    2016年
    東京理科大学修士設計展 最優秀賞