PROJECTS DETAIL
作品詳細

太鼓櫓

氏名
西田 庸平
所属
東京都市大学大学院
工学研究科 建築学専攻
研究室
手塚研究室
作品概要

太鼓という日本の伝統を未来に継承するための建築。

大阪府大阪市浪速区。
ここは近世江戸時代には渡辺村と呼ばれていた地域である。ここは大坂城城下町の郊外にあたり、エタの身分の人たちの村だった。エタの人々が皮革産業に携わっていたため、太鼓産業も盛んとなり、太鼓職人が全国からこの地域に集まった。
しかし都市の発展とともにその数は減少し、今では4 軒しか残っていない。そこで、私は減少していく日本の伝統としての太鼓屋を街のシンボルとして、再興することを提案する。
かつて太鼓櫓は街に時を音で知らせるための塔だった。そこに太鼓屋という機能とそれを人々が見学するための動線を付加する。た周辺の建物より高いこの建築は街を見渡すこともでき、螺旋状の外部動線は街のあらゆる方角を眺めることができ、回遊性を生み出す。それに従い内側の水平な床には太鼓屋としての機能が入っている。人々は動線に沿って、太鼓が出来上がる行程を楽しめる。またこの地域には蒲団太鼓や盆踊りなどの祭りがあり、その際はこの建築の周辺に人が集い合う。
この太鼓櫓は、この街のシンボルであり、日本のシンボルである。海外からも多くの人々が日本の文化に触れようと訪れる。太鼓屋が賑わいをみせることで、この街の再興となる。

 

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