作品詳細

建築空間における間接採光手法に関する考察及び設計提案

氏名
間部 賢太郎
所属
首都大学東京大学院 都市環境科学研究科 建築学域
研究室
小泉雅生研究室

作品概要

現代において,人は建築の中で,室名という名詞に規定されて,窮屈に生活をしている.いわば建築に住まわされている状態である.
また人の知覚の大部分は視覚に影響され,光の視覚的状態,つまり光の状態が空間を性格づける最たるものであると言える.
しかし建築計画における採光手法はいまだ性能として語られることが多く,外光を遮光するか,採光するかといった二者択一的な計画が大半を占める.それは光環境が照度といった物理的な光量のみでしか評価されていないことが原因として挙げられる.そこで本論文において,間接採光手法を近代以降の建築より抽出し,Feu理論という照明計画を評価する指標を用いて,写真分析,更に3Dシミュレーションを行いながら,それぞれの手法の性質を分析,それらの分析結果を用いて,採光計画から創出される新たな住宅設計のプロセスを示した.シンプルな構造グリッドを用い,素材や形態的に何も変哲のな いこの住宅は屋根裏空間のみが異なる様相を示す.住民が手の触れることのない,屋根裏という空間は光を調節するためのレイヤーとなり,時間ごとに異なる現象を住空間に演出する.光の状態を設計することで,平面に異なる光が降り注ぎ,機能が自由に決定される.現代の室名という名詞に規定されて,窮屈に行為が展開される建築のあり方に対して,住民が光の状態という形容詞によって行為を選択し,プリミティブに暮らす住宅の提案である.

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