場所に応答する建築―見立てを用いた設計手法
― architecture which response to the environment ―
氏 名
成山 由典
所 属
早稲田大学大学院理工学研究科建築学専攻
研究室
入江正之研究室
作品概要
私たちの時代は、普遍的なことが優先される世界観によって、全地球的に均一化が進んでいる状況にある。
 それによって、私たちのかけがえのない場所は死にかけている。建築は、場所から逃れられないものだということを認め、場所の再生について考えなければならない。
 本計画は、場所に先行する事物に対して、見立ての手法に倣い、場所に応答し、具体的に行為していくことで、新たな<世界>の可能性を示すことを行った。
 敷地は浅草。私は様々なコンテクストが絡み合い、複雑な様相を呈している場所を発見した。
 その場所に内在する見えない力を可視化する形の可能性を引き出すことを行い、そこから得られたいくつかの結果を、組み合わせ、組み替えていくことを行った。
 今回は結果として、42個のエスキス結果と、最終成果物として様々な姿を持つ建築のかたちが溶け合ったような包含的な形態が導きだされた。
 諸場所の場所に対してはローカルなルールによって応答し、全体としてはまちを異化するような建築が生み出された。浅草のまちを表現する様な形態と形態の形が解け合い、周囲との関係性のみが残るごった煮のような建築になった。
 想像することは、創造することに繋がっている。わたしたちの心象風景は実際の風景と繋がっている。想像すること、対象化すること、組み合わせていくことを通して場所の創造は可能であることを示すことが本計画での目的である。
作品01
作品02
(pdf 2.4MB)
成山 由典
Profile

Copyright (C)The Japan Institute of Architects Kanto-Koshinetsu Chapter 2007
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