MEDIATED ARCHITECTURE
−中国広州騎楼街区再開発における親自然的住環境創造の提案−
氏 名
多鹿 祐司
所 属
宇都宮大学大学院工学研究科建設学専攻
研究室
建築計画研究室
作品概要
 画一的に方法論化された再開発を否定する。それらによって、そこに住む人々の生活と記憶、地域性が失われているからである。
 本提案は、中国広州騎楼街区を対象とした再開発のオルタナティブな手法を模索する。
 広州騎楼街区には特有の佇まいがある。通りには騎楼(キロウ)と呼ばれる保護対象とされる近代伝統建築が特有の街並みを構成している。騎楼街路の裏手には老朽化住宅が密集し、路地には居住者の生活が滲み出し、この街は生きるエネルギーで満ち溢れている。現在、こうした広州の街も大規模再開発によって失われようとしている。
 これは、この街の再開発が生活と記憶、地域性を失わないための提案である。
 提案の手法として、騎楼が有するライトウェルの採光形式を再構成する。保存建築と老朽化住宅が密集し、且つ、居住環境の劣悪化が懸念される広州騎楼街区において、更新する建築が保存建築や周辺の既存建築にも有効な採光・通風箇所を提供するように、建築の外形にライトウェルとなる凹みをもった建築を提案する。老朽化住宅を外形に凹みのある建築に少しずつ建替えていくことで、街区全体に広がる自然採光・自然通風による親自然的住環境を創造する。そうした、新しい建築も古い建築も一体となった街区全体の居住環境の改善を試みる。
 ここでは、再開発と保存という一見、水と油のような関係を同居させようと考えた。
作品01
作品02
(pdf 528KB)
多鹿 祐司
Profile
1983年  兵庫県生まれ
2006年  宇都宮大学建設学科建築学コース卒業
2008年  宇都宮大学大学院修士課程修了
2008年  保坂猛建築都市設計事務所

● 受賞歴
卒業設計 宇都宮大学優秀賞 近代建築6月号別冊「卒業制作2006」掲載
第3回住まいのデザインコンテスト 優秀賞
らいとライトコンペティション2006 環境賞
平成19年度宇都宮大学奨学金奨励賞
第3回大和ハウス住宅設計コンペ 最優秀賞
Copyright (C)The Japan Institute of Architects Kanto-Koshinetsu Chapter 2007
作品の著作権は作者に帰属します。ここに掲載されている画像・文章は許可なく転載することは固く禁じます。