Resonant Space
−Zeche Zollverein Museum−
氏 名
関口貴人
所 属
東京理科大学大学院理工学研究科建築学専攻
研究室
小嶋一浩研究室
作品概要
 美術作品とも建築物ともつかない、純粋に美的な効果しか持たない構築物がある。古代遺跡や廃墟などはそれに近い。それらに共通するのはどれも絵画や彫刻、建築といったオブジェクティブな側面から離れて、それらが構成してつくりだす三次元空間が芸術表現上の主題になっていることである。そこには知覚による認識を超えたある種の心的空間が広がっている。
 アートの概念そのものが変質している現在、もはやあらゆるアートに対応する一般解としてのミュージアムはあり得ない。ミュージアムは単にアートを見せる展示空間であることを超えて、建物それ自体が作品となることが必要である。アートと建築とを同時に思考し扱うことにより、美術作品固有の空間性を最大化させる、互いに響き合うような建築空間を設計する。
 ドイツ西部、エッセンにある100haもの広大な土地に取り残されたツォルフェライン炭坑跡という廃墟において、その普遍性や永遠性と美術品の持つ意味とを同化、対峙させ、建物内の平面計画、作品ごとの展示方法、展示装置や代器の制作、内容物である展示品、容器である建物、それらを含有する都市など、あらゆる要素を結び合わせて相乗効果を引き出し、共鳴する空間をつくりだす。
 Resonant Spaceは、そのモノと場所が持っている固有の世界を耕していくことであり、そこに新たな意味と解釈、物語をつくりだしていくことである。
作品01
作品02
(pdf 640KB)
関口貴人
Profile
1982 埼玉県生まれ
2006 東京理科大学理工学部建築学科卒業
2008 東京理科大学大学院理工学研究科建築学専攻修了

修士設計最優秀賞
Copyright (C)The Japan Institute of Architects Kanto-Koshinetsu Chapter 2007
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