曖  昧  境  界  生  活  領  域
ワンルームマンション Re‐ コンセプト千葉の住宅市街地に建つ集合住宅改修計画
氏 名
五ノ井 麻衣
所 属
日本女子大学大学院
家政学研究科住居学専攻
研究室
篠原聡子研究室
作品概要
 2020年、首都圏の住居の4割強が単身者の住処となるといわれ、その多くがワンルームマンションという“個室完結生活空間”である。
 本研究は、千葉の住宅市街地に建つワンルームマンション“コルテ松波”の改修計画を通して、本来の“個人の生活空間の豊かさ”とは何なのか、地域社会の中で孤立してしまった単身者が、これからの地域社会・都市を自ら形成する側となる住居とはいかなるものか、これからの単身者居住のあり方と住コミュニティ形成の可能性を探り、単身者の住処の存在自体を考え直し、再構築することを目的としている。
 個人の豊な生活空間とは、生活という時間軸において、モノや行為によって緩やかな境界があり、その時々に合わせて、“居場所の伸縮と更新ができる住宅”だと考える。個人が個々に感じるプライバシー・個人の生活領域(テリトリー)を保ちながら、生活行為が広がる生活空間を十分に確保することによって、実現できるのではないか。
【操作1】それぞれの生活空間ごとに、共用する“人数・その空間の場所・広さ”を、事例や居住実態調査を通して得た分析をもとに考慮し、生活領域を確保、生活空間を組み替え直すことで、個人の豊な生活空間を再構築する。
【操作2】個室空間と共用空間の境界を棚という面で領域化し、そこにあらゆる行為に伴う様々な性格を帯びたモノを所有することで、その性格は時々に合わせて変化し、個人の生活空間の境界は曖昧となる。
小林正史作品01
小林正史作品01
(pdf 1.9MB)
味岡美樹
Profile
2001 千葉県立千葉高等学校卒業
2006 日本女子大学家政学部住居学科卒業
2008 日本女子大学大学院修士課程家政学研究科住居学専攻修了
2008 株式会社都市デザインシステム入社
Copyright (C)The Japan Institute of Architects Kanto-Koshinetsu Chapter 2007
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