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 バッファー・ガーデン・プロジェクト 東京湾埋立地における動物公園計画
BUFFER GARDEN PROJECT
:ZOOLOGICAL GARDEN ON THE RECLAIMED LAND IN TOKYO BAY

氏 名 野地智美
所 属 東京工業大学大学 院理工学研究科 建築学専攻 
研究室 坂本一成研究室
   
作品概要

 東京湾沿岸部には、工場や供給処理施設、倉庫群といった都市基盤施設が多く存在し、またこれらの施設に付随する駐車場や将来の建設のための未利用地などの空地も見られ、大規模な施設が低密度に広がる領域となっている。
 なかでも江東区新砂地区は、明治から大正中期にかけて埋め立てられた初期の埋立地であり、砂町水処理センターといった供給処理施設を中心に、工業用地や未利用地、駐車場用地等の広大な空地がみられ、人々が日常的には利用しない場所であった。
 しかし近年、初期の埋立地であるために地盤が定着したことや、一部の工業の産業構造の変化、港湾機能の沖合化、あるいは都心部への人口集中のため住環境が不足しているという状況により、用途地域の変更がなされ、住環境が工業専用地域だった場所に進出し始めている。そうした状況は住環境と供給処理施設が近接するという状態を引き起こしており、それらの間に「緩衝領域」を積極的に位置づける必要がある。
 このプロジェクトは、供給処理施設周辺に広がる既存の空地を確保しつつ、緩衝領域としての動物公園「バッファー・ガーデン」を計画することで、この地域を人々が利用できるパブリックな領域として再編するものである。
 
 バッファー・ガーデンは、施設が併せもち現状では公共のオープンスペースとして利用できない未利用な空地を活性化する。また動物の糞尿等を利用し下水処理施設の循環機能とのサーキュレーションを組むことによるバイオマスエネルギーの生成により、生産性のなかった空地にエネルギーを生み出す空地としての役割を与えるものである。干潟の造成や植物・花卉による汚水の自然浄化システムを取り入れるなど、エコロジカルな観点をもつ計画であり、本来の豊かな自然環境を失った海岸線に対する自然公園の提案でもある。
 
(PDFファイル・761B)
プロフィール
1978年7月14日 生まれ
神奈川県出身
所属:C+A (株)シーラカンスアンドアソシエイツ 一級建築士事務所



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Copyright (C)The Japan Institute of Architects Kanto-Koshinetsu Chapter 2004
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