1.はじめに
■遮熱とは…
太陽光(熱)を反射することで夏場の温度上昇を抑え、建物に伝わる熱の量を減少させます。環境保護への貢献、特にヒートアイランド対策の面から国土交通省はガイドライン、東京都はガイドラインや建築物環境計画書制度で採用を推奨している技術です。建物の維持コスト削減の観点からも、これからの時代の建物に求められる新しい性能です。

[遮熱概念図]
■各省庁の取り組みについて…
  制度名 概 要
国土交通省 『ヒートアイランド現象緩和のための
 建築設計ガイドライン』
建物を設計するにあたって、ヒートアイランド現象緩和に係る配慮すべき項目をまとめています。
遮熱材料(塗料・シート)は、「建築外装材料」の項目で日射反射率の高い屋根材として使用が推奨されています。
東京都 『東京都ヒートアイランド対策ガイド
 ライン』
調査・観測等にもとづいた東京都区部における熱環境の状況や各地域に適した対策をまとめています。
全ての建物の屋根に対して「反射率の高い塗料等」として、遮熱材料(塗料・シート)の採用が推奨されています。
『東京都建築物環境配慮制度』 建物個々を同一の基準で評価、公表することで建築主が自主的に環境配慮を進めることを目的としています。
遮熱材料(塗料・シート)は、「ヒートアイランド現象の緩和」項目で高反射率被覆材として評価対象となっています。
『クールルーフ推進事業』 環境省の「環境と経済の好循環のまちモデル事業」を活用し、屋上緑化や高反射率塗料(遮熱塗料)などによる建築物の被覆対策を推進する事業です。
建物所有者に対し、対策に必要な費用の一部の補助を行ないます。(予定)
※詳細は各省庁へお問い合わせください。
■東京都の検証実験について…
東京都は平成15年度に予備試験、平成16年度に実際の建物での遮熱塗料(高反射率塗料)のフィールド試験を実施し、ヒートアイランド現象および室内環境の緩和効果を確認しました。弊社の遮熱塗料「シャネツコート」も本実験に参加し好成績を収めました。
本実験の結果が東京都の諸制度に反映されています。
※この実験は、東京都環境局、武蔵工業大学 近藤研究室、および弊社を含むメーカー5社との協働により行な
 いました。

図 フィールド試験状況と表面温度低減効果(サーモグラフ) ※弊社「シャネツコート」はCの部分が該当