コラム

Vol.40 仮想現実と現実

最近生活の中で草花を育てたり、野菜を作ったりすることが増えてきました。土を握ると指先に温度、湿度、粘度、硬さ、柔らかさ、重さ、様々な情報が伝わってきます。鼻腔からは香りも感じます。私達が持つ五感のセンサーがフル活動です。今、新型コロナウイルスの蔓延の影響も後押ししてリモートまたはオンラインと言われる情報伝達がごく普通になってきました。比較すると直接 ...more

Vol. 39「曖昧な空間(境界線のない世界)」

 日本人は曖昧でYES、NOがはっきりしていない人種と言われます。相手と協調性のある行動が誤解を生む事もありますが、相手にうつさない為にマスクを着用する事がすんなり実行できる優しい国民だと感じます。  建築空間に置き換えると、欧州の擁壁のような壁と窓、切り分けられた室内空間に比べ、日本には縁側、土間、障子、ハッキリと境界線を作らない世界がありました。 ...more

Vol.38 コロナ自粛後の暮らしと「エネルギー自立」の住まい

国際エネルギー機関(IEA)の「世界エネルギーレビュー」によると、新型コロナによる経済活動の縮小で、2020年の二酸化炭素排出量は前年比8%減になるそうです。コロナ自粛後は、深刻化する温暖化対策と経済を両立させる、低炭素なグリーン社会へのシフトが求められています。 今回の自粛によって、空の青さや近隣の緑の美しさ、動物や鳥との触れ合いが、とても貴重なもの ...more

Vol.37 非常時と平常時の二面に対応した「新しい住生活様式」

「新しい生活様式」など言われていますがこれは本来「新しい」ではなく「緊急事態下」と伝えられるべきものです。人類が求めてきたものはこんな生活ではないはずです。「三密」は高度に発達した文明が得たものです。しかし文明が追求した利便性が大きな不幸をもたらしました。 かならず克復しなくてはならない今回の禍が収まった後、今後再来するかもしれない大災害に備える ...more

Vol.36 WITH コロナとこれからの住まい

STAY HOME から WITH コロナ、AFTER コロナへと変わりましたが、それは元の暮ら しに戻るのではなく、新たな習慣や常識への変化が求められています。 4月、緊急事態宣言から暫くは、大豪邸や一人暮らしを除き、人口密度の高い家の中 で長期間滞在するという事態に、多くの家庭から各々の居場所がない、居心地が悪いとい う嘆がこぼれていました。そして ...more

Vol. 35「和室」と「和室的使い方」

「和室」と「和室的使い方」  1950 年代初め、住まいの食寝分離が提唱され、食事と寝る場所が別の部屋として計画された2DK の公団住宅が憧れでした。その後 L(リビング)が登場し、機能別の部屋つくりが進み、 それと供に和室がだんだん作られなくなりました。 それまでの家は、家族が集まる茶の間で食事の時は卓袱台を出して食事し、その後は家族団欒、 ...more

Vol.34「感染症との複合災害に備えて、今できること」

天気予報では熱中症への警戒とともに大雨や土砂災害の警報などを目にするようになり、梅雨や台風による大雨が今年も心配になります。個人的には昨年の台風19号は居住している区全域に避難指示が出されるものでした。水害だけではなくもちろん地震の心配もあります。もし今、このような災害が発生したら、と考えてみる必要があります。 これまでの避難所での避難生活、人的サポー ...more

Vol. 33「熱中症対策と通風 」

夏のマスクは考えてしまいます。熱中症の心配があるからです。在宅時でも窓を開けずに冷房をつけるか、開け放してが良いのか迷います。しかしエアコンは換気設備ではないので、コロナ対策としては窓を開けて換気をするべきでしょう。 日本の住宅の32%はほぼ無断熱状態(*1)です。1980年省エネ基準を加えると68%が断熱性能が低い住宅です。このような住宅では太陽の日射や外 ...more

Vol. 32「庭は小さな生態系!一本でも森になる」

 住宅地では概ね建ぺい率が60%以下です。敷地100㎡(約30坪)なら最低でも40㎡(約12坪)は建物がない場所があります。一部が駐車スペースとしても青空は敷地の半分程度広がっているのです。  今までも建主には敷地内に一本の木を植えましょうと提案してきました。実を言うと、自邸でも中庭にもみじを植えたいと妻に提案すると反対されました。手入れが大変、鳥や虫がやっ ...more

Vol.31「接触感染予防」 

COVID-19感染症対策は、社会距離を考える「飛沫感染予防」と「接触感染予防」と言われている。実際、ドアノブなどを介して他の人に感染する可能性がある。 「接触感染予防」を考える上で、素材別での最大残存時間は、銅、ダンボール、ステンレス、プラスチックと大きな差があるが、この中で一番短い銅でさえ約4時間、どの材料も長く残存していることに変わりはない。触るこ ...more