コラム

Vol.50 依存から自立へ「水の確保編」

 新型コロナの終息にはまだ時間がかかりそうですが、豪雨や台風による被害も増え続けていて心配です。温暖化による気候変動というのは明らかで、私たちは断熱気密性能の向上や暮らしを見直すことで、エネルギー消費を抑えながら、同時に災害対策についても考えていく必要があります。 水道が何かの事情で止まってしまった場合、「水の確保」はとても重要です。飲み水としてだ ...more

Vol.49 依存から自立へ「建築DIY編」

 コロナ禍のステイホームで、ドイツではDIYに取り組む人が急増し、作業中の怪我が増えて病院にも影響が出たという話を聞きました。そこまでいくと問題ですが、日本でも、プロに依頼するだけでなく、住まい手がもう少し住まいづくりに参加しても良いのではないかと個人的には感じています。  私の事務所では、設計監理以外に、住まい手から希望があれば、床のワックス塗装や ...more

Vol.48「まちの魅力-2」 

3月以降、コンサートホールで実際に音楽を聴く機会がなくなってしまった。それでも、web配信で、無観客コンサート、ホームライブをありがたく拝聴している。しかし、臨場感はあっても何かが違う。ホールでの演奏者と聴衆の一人である自分との一体感、そして五感で感じるライブ感とは程遠い。 まちには、音楽、映画、歌舞伎、演劇等の文化と接する場所が集積するだけではなく ...more

Vol.47「まちの魅力」 

自分の家、部屋というものは、時間の経過とともに思い出が重なり、お気に入りの品々で自分の空間になっていくと言われている。そこに、自分、家族、友達など親しい人たちとの思い出が重なる。 同様に、長年暮らしたまちには愛着があるものだ。歴史が積み重ねられ、その場所に自分の思い出や記憶が重なり、自分の馴染みの場所になっていく。 「stay home」の期間で、またそ ...more

Vol. 46「リモートワークと近隣コミュニティ」

「リモートワークと近隣コミュニティ」  まちづくりをする上で、近隣コミュニティの大切さを今まで多くの専門家が言ってきました。同じ場所・地域、同じ歴史や時間を共有する事で培われるコミュニティ。それを下敷きにした、地域社会は地域を共有し、暮らし易さを生む物とされました。濃い近隣コミュニティを嫌い、アノニマス(匿名的)な場所を求めた人々も有りましたが、 ...more

Vol.45 「脱・暮らし VS. 職場」

多くの犠牲や大きな損害を被ったコロナ問題。これによって社会全体は否応なしに WEB を活用、瞬く間にモートワークが広がり、今後もある一定割合は残りそうな様相です。働 き方と職場の概念が変わりつつあり、これは正しく一向に進まなかった「働き方改革」の 一端といえます。 先日の昔の施主(共に都内の外資系投資顧問会社、金融会社に勤務のご夫婦)との会話で ...more

Vol. 44「PublicとPrivateその1 」

私達は住まいをPrivateな空間として捉えています。家族を一単位とし、その外はPublicですから当然です。しかし、家族各人にもPrivateはあります。PublicとPrivateは一対で考えるものです。その場合、住まいの中のPublic(*1)はどこにあるのでしょうか? 私はLiving roomにあると思います。PublicなLiving roomであるためには家族の誰もが自由に気軽にくつろげる場であるべき ...more

Vol.43 環境と対話して生きる

20年前、変形狭小敷地に3階建を計画して、家族が触れ合う安らぎの中で知性と感性を育んでいけるようなアットホームな住まいを設計しました。陽当たり、自然条件を最大限に生かした密度の高い空間です。 その後、東側の葡萄畑が住宅地として拡張。環境が変化することに伴い、一画を購入されたクライアントのために、室内環境を豊かに保ちながら、東側に解放された平屋の増築を ...more

Vol. 42「新しい二拠点生活」

新しい二拠点生活  人口の減少と東京への一極集中の為、何年も前から地方創成と叫び続けてきましたが、なかなか進みませんでした。しかし是に来て、新型コロナウィルスによる外出の自粛により、一気にテレワークが進んだ感が有ります。通勤の事を考えなければ何も都内に居る必要も無くなり、出勤が週1回程度なら、生活の拠点の考え方が変わってきます。  ついこの間 ...more

Vol.41「外であり内でもある空間」

新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けた暮らし中で、自然を感じられることの有難さを改めて感じた方は多いと思います。 狭小地で暮らしている私も、家の中で育てている観葉植物や、玄関の横の1本の小さい紅葉や、徒歩5分で行ける河川敷などは、束の間の安らぎを与えてくれました。広い庭がなくてもリビングや個室と繋がる、ちょっとしたテラスやバルコニーなどは、外部と内部 ...more