コラム

2020.08.25

Vol.55「通りを向いた庭」

通りを歩く側の人間からすると、通りから敷地内の庭や、草木が見えることはありがたい。道路と敷地の間に塀などが無く、通りの方を向いている庭などの前を通ると感謝の気持ちすら湧いてきます。もちろん前面道路が車の往来が激しい場合と、車が通れないような路地の場合とでは事情が全く異なるので、同じ土俵で話すことはできませんが、自分が受ける恩恵は、他の人に、あるいは社会に還元できたらと思います。 

海外や国内の都市などの実績もあり、条件はありますが、国土交通省は沿道飲食店の道路占有許可基準を緩和しています。現在の措置はあくまでも感染症対策として飲食店のテイクアウトやアウトドアでの客席を支援するもので11月30日までの暫定的な措置のようですが、これを機に一部でも歩行者を優先とした道路になり、道路と私たちの関係が変わり、賑わいや暮らしが通りに出ることも良いことではと思います。また私たちも自身の事に翻ってみて、敷地と道路、(privateとpublick)について、恩恵を受けることと還元すること、を考えてみたいと思います。

記:宮島 亨

狭い敷地なら1本の木から始めては




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