コラム

2020.05.24

Vol.18「自然との接点をつくる」 

 新型コロナウィルスの問題が発生し、住まいに「自然との接点をつくる」ことが、改めて大事なことだと感じています。人間は地球で暮らす生物の一員であり、人工的な環境下で生きることは困難です。今回のように外出が規制されて住まいに篭ることになると、この課題に取り組んでいたかどうかで、暮らしに大きな差が生じているのではないでしょうか。

 窓や屋外空間を通して、太陽や風、鳥や植物との良好な関係をつくり、また室内に多様な自然素材を取り入れることで、住まい手は五感を通して癒しや安心感を得ることができます。

 小さくても庭に木や草花を植えて、外に憩いの場をもうける。鳥の声や、植物の四季の変化を楽しめる「窓」をつくる。無垢のフローリングに自然塗料を施して、裸足で質感を楽しむ。珪藻土やしっくい、板張りで、視覚や嗅覚、そして空気感を楽しむなど。このような配慮が、住まい手に貴重な「癒し」を与えてくれるのではないでしょうか。 

 (記: 湯浅 剛)

土佐材のスギ・ヒノキ、土佐漆喰の内装、高窓から光をとりこむ明るいLDKと緑の庭空間(写真:大槻茂)

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コロナウイルスで暮らしと住まいは変わる!?
世界中を襲った新型コロナウイルスという大災害の中でのすごし方、そしてその後の暮らしや住まい、環境に対する意識や価値観は変わるのでしょうか。 住宅部会の 建築家達がリレー形式で、それぞれの視点で語ります。

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