コラム

2020.05.14

Vol.14 「社会との接点としての窓」 

ロックダウンしたイタリアでは、バルコニーや窓は、歌ったり、演奏をしたり、医療従事者に感謝を伝える等、コミュニュケーションの場です。日本も緊急事態宣言からStayHomeの期間が約1ヶ月になりますが、イタリアに比べると日本の窓は無表情ですね。

我家の窓からは、配達員、自転車の練習をする親子、犬の散歩、雲の流れや若葉の緑が見え、そしてそよ風を感じます。自宅でのすごし方から様々なことを感じ、その一つが窓のありがたさです。現在のすごし方が、将来、そして本来の暮らし方に繋がるのなら、自然を感じ、社会の動きが見え、コミュニュケーションできる窓はとても重要です。

窓は省エネ性能に関わる最も難しい部位であり、性能上小さくなる傾向にあります。また、残念ながら最近の市街地の住宅は、道路側に窓がなく閉鎖感のある住宅が多くなっています。社会に対して壁を作るのではなく、私たちなりに社会との接点としての窓を考えてみませんか。

記:大塚 雄二


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