今月の都市
ドレスデン(ドイツ)−1
 ドイツ有数の芸術都市と言われているドレスデンは第二次世界大戦で荒野と帰してしまいました。工業都市でもない芸術都市ドレスデンが何故戦火の対象となったか未だに疑念を抱かれている様です。ただその後イギリス、フランス、アメリカ等が此処でご紹介する聖母教会(Frauenkirche)の再建に際し各種の寄進をした事は過去の過ちに対する懺悔の表れなのでしょう。
 原型を全く留めないまで荒廃に帰した聖母教会(Frauenkirche)の再建が始まったのはつい1994年の事です。ドイツでは戦争の悔恨の遺跡とて戦火の後を残すことが多く見られますが、恐らくこの教会もその流れの中にあったのでしょう。ところがさる牧師の呼びかけでこの修復の運動が始まりました。
 昨年10月完成の暁を迎えましたが、ここでご紹介する映像はその前年完成間じかのものです。
 黒く焼け焦げた旧教会の無数の小さな瓦礫をそこにあつたと思われる個所に復元した現状は、斑ではあるものの再建へ向けての意思が凝縮された結果として新たな感銘を呼ぶものでしょう。
 数百年にわたって教会の建立をしてきたヨーロッパ人の新たな試みとも言えるものです。
 今年2006年はドレスデン建都800年祭の年です。何とか再建は間にあったようです。
(参照--
http://www.fraeunkirche-resden.org)

(写真・文 福井 稔)

工事現場看板の戦前の教会周辺

瓦礫と化した教会

左側わずかに残った旧教会の唯一の遺跡

市街地道路側

斑模様の側面

外構整備中の現場

絵画に描かれた教会

絵画通りに復元された教会

歴代王侯が得かがれた壁面からの遠景

戦火を免れた歴代王侯が描かれた壁面

壁面詳細

現在も残されている戦火の瓦礫


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