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相談事例

訪問販売による不等沈下修復工事
一戸建て木造住宅が東日本大震災で大規模半壊。平成24年都内業者と不等沈下修正工事請負契約をし、9月に工事終了。ところが、25年3月頃に修正工事前の傾き戻ったところと、さらに工事前になかった箇所が追加されたと感じた。工事を手掛けた都内の業者に傾斜測量と手直しを求めたがいい加減な室内測定と再度の修正工事は不可能と言われた。
工事の内容は、業者の修復工事は布基礎の下部に鉄板を入れて建物を水平にするというもの。液状化による不等沈下は、建物の水平に戻す前にその地盤改良をしなければならない。地盤改良に手をつけないで、地上の建物を水平にしただけの工事が行なわれていた。この業者はその後にまた建物が傾くことを予知していて事前にその布石を打っていた可能性がある。相談者との請負契約の約款に次の条項があった。『請負契約 第10条の1:不可抗力に起因する工事済部分の破損等及び、液状化現象の進行に起因して、工事完成引渡し後に新たな家屋の沈下が発生した場合、注文者は速やかに請負者に連絡を取り、両者協力して、測量、工事等を含めた今後の対策を協議するとし、その後、新たに工事を行なう場合の工事代金は注文者の負担とする。第10条の2:この契約に基づき実施する工事は、土地地盤の補強・改良を行なう工事や新たに発生する液状化を抑制・回避する工事でなく、既に液状化の影響により傾いた家屋の不等沈下修正を行なう工事であることを注文者は理解し、承諾した。第10条の3:請負者が行なう家屋レベル検査により、液状化影響による家屋の沈下が、基準点からの高さの差異、6/1000未満まで修正出来た時点が沈下修正工事の成功とすることを注文者は理解、承諾した。(平成12年建設省(=現在の国土交通省)告示第1653号 住宅品質確保促進法第70条に基づく「住宅紛争処理の参考となるべき技術基準」を参考)』
まさにこの条項通りに修正工事後、建物が傾斜したことになる。このような約款に基づく契約の被害を受けないよう注意が必要である。法的な対策があるのか、法律家と相談するよう助言した。

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