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小屋裏の換気ができず湿気がこもる

 築20年の木造2階建ての住宅で、昨年12月に2階の押入れを整理したら、中の布団がひどく湿っていることに気がついた。今迄になかったことなので、びっくりしてこの工事をした工務店に診てもらった。大工と一緒に小屋裏に上ると、小屋裏でも湿気が強く木材がカビで変色している事が分かった。大工が、塗装業者が塗装工事の折りに、軒裏の換気口(通常穴あきボードが使われ、その穴から小屋裏が換気される。)の穴を埋めてしまった事を見つけた。大工から、屋根の棟(屋根頂部)に棟換気口(この部分から換気する。)を取付けたらどうかとの提案を受け、16万円の見積書を受取った。  
 一方、屋根からの湿気も気になったので、屋根工事の業者にも見てもらったところ、屋根材のコロニアルにも塗料が塗られていた。このコロニアルの重ね部分の塗装を取り除き、スペーサーをかませることと、軒裏の穴あきボードを貼り直す提案を受け、60万円の見積書を受取った。  
 どちらの方法で工事をしたらよいか、アドバイスをもらいたい。


 

 湿気の問題は日常生活にも関係するので、まず生活状況について質問した。

1.石油やガス等の直焚き暖房機を使用しているか?  
→使用していない。直焚き暖房機は大量の水蒸気を発生する。

2.浴室のドアは常時閉めて浴室の換気は換気扇を使用しているか?  

→その通り。ドアを開けておくと浴室の湿気が室内にくる。

3.洗濯物を室内に干すことはあるか?
→ない。

 以上より、生活上の問題ではなく、建築上の問題であることを確認した。まず屋根を通して外部の湿気が室内にくることは、雨漏りがない限りあり得ない。雨漏りがないことは大工が確認済であり、大工の提案した棟換気口をつける考え方でよいことを説明した。但し、折角小屋裏に入るので、その際に塗料で埋められたボードの穴を復活させ、小屋裏の先端部分に空気がたまらないようにすべきであることを伝えた。

 又この家は10年に1度、今迄に2回外壁や屋根の塗装工事をしている。その時の塗装工事で換気口を埋められたことが今回の事故になったので、下記についてもアドバイスした。

 

  1. 屋根は塗装をすると長持ちすると、訪問販売会社が営業に来るが、メーカーに確認したところ、コロニアルなどの屋根材は30年位塗装しなくても材質には問題がない。但し、15年から20年経過すると色が薄くなり、汚れた感じになるので、見栄えの面から塗ることは良いが、その時も重ね部分にスペーサーを入れて、すき間部分を塗りつぶさないようにすることが必要である。重ね部分を塗りつぶしてしまうと、屋根材の下に入った水がぬけずにそのまま残り、屋根材下の防水紙が乾燥しないため、防水紙の寿命が短くなってしまう。
  2. 外壁の塗装については、近所の塗装業者に安く塗ってもらったということだが、外壁はただ塗料を塗るだけでは駄目で、換気口部分は塗料で埋めないようにする必要がある。外壁のチェックをして、サッシまわりのコーキング(コーキングは一般に数年の寿命)の打ち替え、外壁のひび割れや不具合部分の補修工事が済んだ後に塗装工事に入るなどの注意が必要。

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