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既存形態の構成を援用した福島県白河市白河市中央公民館の建替計画 -再生建築における建築的部位と空間構成の分析を通じて-

奨励賞
氏名
添田 魁人
所属
日本大学大学院
理工学研究科 建築学専攻
研究室
古澤・二瓶研究室(建築計画系研究室)
作品概要

高度経済成長期に整備された公共建築は、一斉に建替え更新・修繕を迫られている。社会ニーズ変化によって設備更新の利便性が追求され、人口割合の変化によって公共施設の長寿命化が求められ、そして公共建築が地域文化の形成を担った事実は忘れ去られた。公共建築の整備において、建替以前の存続実績は考慮されていないのだ。一方で、再生建築をはじめとする既存建築活用の機運は依然として高まり続けている。再生建築は、建築が持つ社会的持続可能性を提示し、地域社会の文化・歴史性の保全を示唆する。従来の建替行為は、以前存在した建物の系譜を断ち切る行為だった。現在求められるのは、地域文化の形成を担った既存建築を社会的持続性に応答させる建替行為、すなわち”踏襲と更新の双方を兼ね備えた設計手法”だろう。

建替行為が持つ建替前後の断絶的関係に対して、建替以前の建物の姿を”既存形態”と定義し、この既存形態を踏襲することで設計プロセスに援用する。同時に、再生建築に見られる空間構成の操作を分析・適応することで、”建築の透明化”を実装した。公共建築が存在していた街区を再生するように、既存形態と建替行為と未来の増改築に「断続的な関係性」を生み出した。本提案は、再生建築と新築を調停する中庸的な設計手法の開発と提示を目的とした実験でもあるのだ。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    1994年
    福島県生まれ
    2016年
    日本大学 理工学部 建築学科 卒業
    2018年
    日本大学大学院 理工学研究科 建築学専攻 修了