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接続のウムヴェルト- ミュージアムから読み取る”行間”の空間体系研究 -

氏名
佐藤 駿
所属
芝浦工業大学大学院
理工学研究科 建設工学専攻
研究室
建築デザイン研究室
作品概要

谷川俊太郎の詩において、“行間”は語句や文を強調し、リズミカルな統一性をもたらす要因として作用している。音楽・絵画・映像作品、様々なジャンルにおいて行間は「間」や「ひとつの契機」として作用している。建築においても同様に、行間とは豊かな空間体験を建築に付与するものであり、行間が「建築の全体を獲得するひとつの手掛かり」であることを明らかとするプロジェクトである。

ミュージアム建築を対象に事例研究を行い、行間空間の所作の抽出・考察を行う。抽出された行間の空間言語を再構築し、16の空間アイコンと7の空間モデルを作成した。これにより行間の所作は『建築の外部環境下においても作用し、「日常空間へ波及する」ものである』と推測され、設計提案にてその有用性を模索する。

調査対象地として上野恩賜公園を選定する。当公園の潜在的価値である花見・蓮見の文化は日常的には余白の中に埋没したものとなり、豊かな地形的特徴は面的に処理された動線が配されるのみとなっている。その2点を糸口とした空間を検討する。

“行間”の連鎖的所作を日常空間へと転換するため、余白とも捉えられる公園空間に点在する「行間の空間装置」を提案する。そこに生じる小さくとも確かな接続は、その次なる接続の好機を与えるであろう。

接続のウムヴェルト、些細な接続の集合によってアウトラインが浮かび上がる、緩やかでありながらも確固たる建築体系の習作である。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    2016年
    芝浦工業大学 デザイン工学部 デザイン工学科 卒業
    2018年
    芝浦工業大学大学院 理工学研究科 建設工学専攻 修了