作品詳細Gallery

大地を編む

最優秀賞
氏名
内田 久美子
所属
早稲田大学大学院
創造理工学研究科
建築学
研究室
古谷誠章研究室
作品概要

現在インフラの老朽化が進み、維持が困難視されている中で今後の縮小社会を前に領域を超えて生活基盤・大地と付き合っていく生活像が求められる。ジャカルタを始めとする都市内集落生活者研究の中から自発的な住環境改善の実態と、それらが連鎖し生活景になっていた事を体感した。今後日本に必要なのは人の手によって支えられる柔軟な土木ではないかと思い、武蔵野台地の崖を風景にもつ山手線沿いの西日暮里にて、手間をかける土木と生活景を計画する。手法として道具的土木[雨水浸透壁、水抜きパイプ、木製擁壁、ブロック擁壁、通風屋根]を設計した。またこの道具的土木を支える所作を導く形態のモデルにより、都市の生活景を作り出す。400mの歩行者及び鉄道利用者に共有される擁壁・道、ランドスケープセンターと住宅モデルを設計した。光や段差、窪みなどの環境によって所作がうまれ、支えられ続ける生活景となる。例えば雨の日、雨の次の日、暮らしの中でそこに大地がある事に気づく。そして生活の延長で世話をし、既存の高校や幼稚園、神社などのコミュニティを基に小さなイベントが行われ制作していく、私たちの暮らしは大地の上にあるのだと認識する。私たちの暮らしがある事は、共空間との接点をもつ事でそれだけで都市の財産になる。山と水の中で生きながらえていくために、土木はそこにあり続けなければならない。それが人を排除し脆いものではなく、人が入りこむことで強くなる生活景をなる事を願う。本計画は都市における個人と大地に対する社会の姿勢を問い直すものであり、建築を個人と大地をつなげる場所として捉え直した。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    早稲田大学大学院 創造理工学研究科 建築学専攻