作品詳細Gallery

詩的言語の翻訳
- 統辞とコンテクストの相互作用による空間の詩学を目指して -

氏名
平瀬 真一
所属
明治大学大学院
理工学研究科
建築学
研究室
建築計画・設計研究室
作品概要

建築や音楽を形容する際しばし見受けられる‘詩的’という言葉は、精神及び身体的な感覚を通して理解されるものの、その本性が一体何であるのかは明確に示すことは難しいと思われる。
詩の概念は文藝批評の分野において、言語構造のコード(統辞)とコンテクストの二項対立にみられる緊張や曖昧性から導き出されている。一方で建築の詩的要因の一つとしては、空間的継起にみられる物質的な構成要素の位置関係及び、それらの時間的継起に伴うリズムにあると思われる。このような建築の物質的な構成要素の配列規則は統辞と呼ばれている。
本設計は、自立した統辞とコンテクストの二項対立より導かれる詩の概念を建築空間に援用することで、建築空間における詩学の一旦を目指したものである。
そこで、モデュールによって構成された日本近代住宅の統辞をコンテクストと関連づけて抽出し、その構造を設計に転用することを試みた。
本設計の特徴は言語論を援用し、言語構造を空間に翻訳する設計方法を提示した点にある。この言語構造の空間への翻訳は、言語の句構造規則であるsvoなどの不規則生を持たない規則を、均一のグリッド空間に翻訳し、そのグリッド空間に、移動・反復・重ね合わせ・欠き取り・刳り貫き・挿入といった変形操作をコンテクストとの関係の中で適応させたものである。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    1992年
    兵庫県生まれ
    2015年
    明治大学 理工学部 建築学科 卒業
    2017年
    明治大学 理工学研究科 建築学専攻 修了