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生きられる寺院空間の公共性に関する研究
- 無住寺の記憶を継承する祈りの寺宝美術館 -

氏名
石原 智成
所属
前橋工科大学大学院
工学研究科
建築学専攻
研究室
石川恒夫研究室
作品概要

 寺院は宗教施設であるが、それと同時に地域の拠点としてもかつては様々な人々に利用されてきた。しかし、近年では檀信徒が利用するに留まり、地域の拠点としての機能は失われつつある。現状、利用する人々がいなくなり、守り手である住職もいなくなった寺院はただ朽ちるのみである。本提案は、宗教施設としての役割しかもたなくなりつつある寺院の在り方に対して警鐘を鳴らすものである。設計にあたり、信仰はもちろん、寺院の歴史的価値にも目を向け、それらを守り、宗教に対する理解を深めることをテーマとした。それを踏まえ、境内の雰囲気は残しつつオープンな公園としての役割をもたせ、寺宝と歴史の展示により宗教に対する理解を促すことで、檀信徒以外でも利用できる施設とすることを考えた。境内では子供達が遊び、美術館では、寺院の歴史に関しての学びがあり、そして本堂や墓地では死者の供養が行われる。様々な人々がこの場で様々な活動を行い、お寺という場所が本来の役割を取り戻し、地域の人々の活動拠点として継承されていく。
本提案を通して、衰退しつつある今後の寺院の施設機能の多目的化による再興の可能性を示すことができたと考える。

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作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    1991年
    愛知県生まれ
    2010年
    愛知県刈谷北高等学校 卒業
    2014年
    前橋工科大学 工学部建築学科 卒業
    2017年
    前橋工科大学大学院 工学研究科 建築学専攻 修了