作品詳細
-Gallery-


建築のセリエリズム
- 外濠更新にむけて -

氏名
石澤 拓郎
所属
東京理科大学大学院
工学研究科 建築学専攻
研究室
宇野研究室
作品概要

都市での空間体験を記述し、音楽理論を用いて建築に落としこむ手法(セリエリズム)を提案する。空間体験は一つの楽曲を聴くことに似ている。空間体験は視覚する面の比率の変化を追い、音楽は音の振動数比を追うことで認識している。都市の空間体験と建築の空間体験は音楽を介することでつなぐことができるのではないか。ダイナミックな空間体験が展開する外濠周辺地域(飯田橋〜市ヶ谷間)を対象とし、「絵になる風景」ならぬ「音楽になる風景」を見つけ、建築化・音楽化を行う。外濠の雄大な水空間は、東京の都心にフィジカルな環境として受け継がれつつも、その重要性や魅力が人々に気づかれていない。周辺の高層化や道路拡幅によって取り巻く環境が劇的に変化し、都市の虚としての外濠が取り残され、どう継承し育てるかが問われている。建築は「凍れる音楽」と表現されるように両者の密接な関係性について論じられてきた。古いものではヴィトルヴィウスの建築書の中で言及されており、本設計は音楽を介して新たな都市の風景を再構築する試みである。外濠に散りばめられている断片的な風景を機能の持たない建築として置き換え、その間に「セリエリズム」による空間体験を挿入していく。建築体験を通じて、外濠の断片的で不連続な体験が連鎖的に紡がれていく。

プロフィール

  • 略歴
    1991年
    埼玉県生まれ
    2014年
    東京理科大学
    工学部 第一部建築学科 卒業
    2016年
    東京理科大学大学院
    工学研究科 建築学専攻 修了