作品詳細

馬とすれちがう建築

氏名
高橋 賢治
所属
東京藝術大学大学院 美術研究科 建築専攻
研究室
トム・ヘネガン研究室

作品概要

世田谷、馬事公苑の付近では、馬が信号待ちをし横断歩道を渡る光景に遭遇することがあります。その際、馬の大きさやリズム、蹄鉄の音、視線などによって、横断歩道という人のための場所が、自然にふれているような癒しと、すこしの緊張感を纏う場所に変わっていることに興味を持ちました。そのような人と動物の生活する場所を完全に分けてから考えるのではない、人の使う場所と動物の使う場所が重なってくることで、人工的な空間に自然を拡張していくような建築のあり方を考えました。
まず騎馬警官を配備している警察署の、都市の中で馬を管理する施設という側面に注目しました。そして、人の使う場所と馬の使う場所が重なってくるという視点を、警察や周辺市民、と、飼育されている馬たちそれぞれの生活空間の関係に取り入れていきました。
敷地を新宿御苑の新宿門周辺、東新宿の人工的な建物群と新宿御苑の広大な樹々の間に設定することで、人工と自然の融和を象徴する建築を目指しました。そして、馬の生活と行動の分析結果を基にしたモデュロール、コンパス、分度器、雲形定規という4つの馬定規より得られる寸法と形体を手がかりとしながら、積層、同じ要素を使う、ひとつながりの形、平面的に並べる、同じ場所を使うといった5つの空間構成を通し、馬と人の生活が重なってくるような建築モデルの提案を試みました。

馬とすれちがう建築 馬とすれちがう建築
作品詳細を見る

(PDF:3.7MB)