作品詳細

High-Tech“NAGAYA”

氏名
寺村 文宏
所属
千葉工業大学大学院 工学研究科 建築都市環境学専攻
研究室
古市徹雄研究室

作品概要

High-Tech“NAGAYA”は、共同生活や環境面において優れていた江戸の集合住宅「長屋」を高齢化におけるコミュニティの喪失等、様々な問題を抱える現代集合住宅へと応用することで解決を図ろうとする計画である。敷地は東京都中央区月島。明治時代から残る街並と無計画な大規模マンション開発が混在する場所である。この提案では並列した長屋空間を互いに蛇行させ各戸はこの屋外空間とダイナミックに連続している。屋外は単なる通路ではなく人々がシェアしながら利用できる生活空間でもある。各戸は基本的にワンルームで江戸時代の長屋のように道具を変えることにより朝は朝食ルーム、昼は仕事部屋、夜は寝室といった具合に機能を自由に変えることができる室礼(しつらい)という伝統的生活空間を用いる。それにより食寝分離を意図したLDK形式の居室を減らし環境負荷の軽減や、空間的な無駄を省くことができる。他にも各住居間を繋いだ共有スペースである縁側空間、夏熱せられた空気を上部に逃がすための坪庭空間、打ち水、気化熱による自然冷却のための水盤の配置が屋外に作られる。全体として二層構成であるが二階へ上がる階段は生活空間である屋外空間に面していて人と人の出会い、繋がりを促進させる装置にもなっている。

High-Tech“NAGAYA” High-Tech“NAGAYA”
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