|
江戸は水の街とも言われたように、川が貨物運搬の大切な役割を担っていた。我が国初の都市型倉庫ビルとして昭和5年に建てられたこの倉庫には、嘗てホイップホイスト、テルファーといった川からの荷物の荷役機械が設けられていたそうで、昭和に入ってもまだこの建築に面する日本橋川がその役割を果たしていたのだと思うと興味が尽きない。外観は柔らかな曲線、1〜2階の濃い色と、上階の明るい色の使い分け、最上階の丸窓、ブリッジを摸した屋上の塔屋…水辺に浮かぶ大型客船をイメージしてデザインされている。オフィスビルのようだが、実は建物の半分以上は倉庫になっていて、当時のオーナーのこの建築に対する想いがうかがえる。「トランクルーム」という言葉はこの建物から生まれたのだという。
|