| JIA Bulletin 2002年2月号/海外リポート | |||||||
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日本建築学会アジア建築交流委員会「マレーシア・タイ建築交流視察団」 |
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シンガポール共和国 国土約650km2で,全人口約320万の,民族構成は,中国系74.7%,マレー系13.5%,インド系7.6%の多民族社会で,国土利用では,市街地48.9%,農地1%である。 1965年,マレーシアから独立した当時は混乱期があり,民族問題,経済問題で困難な時期もあったが,初代の首相リー・カンユー氏の非凡な政治的手腕で,現在先進国並の国民所得となり,貿易立国の実があがっている。特に顕著なのは1968年から開始された政府住宅開発庁(H.D.B.)が進めてきた70万戸の住宅整備計画で,計画はほぼ達成され,現在国民の86%が入居し,中産階級の生活安定に寄与している。 アジア同時不況の続く中で,減速はしながらも,市内で再開発中のビルと共同住宅の建設が進み,郊外でも新計画の住宅団地が生まれつつある。近年,順調な国家の発展とともに,過去を振り返る余裕も生まれ,歴史的な街並や建造物を保全する動きもでてきた。 多民族社会であるが,中心となる中産階級が連繋し,民族共存を目標に新しいライフスタイルと建築文化を築こうとしている。 シンガポールの建築 ■現代建築 最近10年間に新しい現代建築が生まれ,中心部のラッフルズ広場からシンガポール河を隔ててみられる超高層ビル群では,I.M. ペイ設計のOCBCセンター,丹下健三設計の都庁まがいといわれるOUBセンター(66階建,高さ277.0m),その隣接のOUBプラザなど。 ■植民地時代の建築 ラッフルズ広場の北側には,19世紀から20世紀に建設された建物が集っている。すなわち,国会議事堂,最高裁判所,市庁舎などで,やや離れてセントアンドリュース教会,チャイム修道院,ラッフルズホテルなどが整備され,現在も使用されている。 そのほか,歴史保全地区(Kanpong Glam)に指定されたサルタンモスク,リトルインデアンのヒンズー寺院,チャイナタウンの仏教寺院など。 マレーシア連邦(今回はマレー半島のみ) 多民族国家であるマレーシアは,マレー系52%,中国系33%,インド系11%,その他からなり,政治的にはマレー系が,経済的には中国系がリードしている。現在各民族間の関係は安定しており,インドネシアのように中国系とインドネシア系の争いはない。各民族は歴史的経緯を経て住み分けている。 近代,英植民地時代から中国系,インド系移民が急増し,「多民族都市社会」を形成した。 第二次世界大戦の戦中戦後の混乱期には,「強制移民村」が各所につくられ,現在も存続している。1948年の独立以後は1969年の中国系とマレー系の民族間衝突をきっかけに1971年,プミプトラ政策(マレー系優先政策)が決定,マレー系への社会的優遇を進めた結果,マレー系の都市圏に流入する者が増加し,工業化の影響もあって都市人口が急増し,周辺部の大団地開発となった。 これらは民族融和政策を受け,多民族の混合居住が奨励されているからでもある。 地方と都市は歴史的形成の違いから民族構成が大きく異なり,都心部には中国系が所有するショップハウスが並び,郊外には民族別の共同住宅が集中する。民族共存にむけてのマレーシアは,共同目標を立て,2020年は先進国並のGNP達成を目指している。 マラッカの建築 ■現代建築:特筆すべき建築はない。 ■植民地時代の建築:スタダイス(赤の広場)を中心にオランダ植民地時代の建物が多数遺っている。 ・オランダ総督館は現在市庁舎と歴史博物館として使用している(1511年建設,オランダ様式) ・ショップハウスはババニョニヤ(父中国系,母マレー系の混血民)の遺産で公道側に5フィート幅のアーケード(five foot way)をもつ特異な立面。 市の中心部にある中国,マレー,ヨーロッパ混合様式の建築で,間口5m前後,奥行き20m〜30mの平面で,中間に中庭をとり,通風,採光を計っている。現在,住宅,店舗,集会所,ホテル等に改造して使用している。 最近マラッカはUNESCOに対し,「歴史的都市マラッカ」として,中心部の歴史的建造物群を文化遺産登録しようとする動きがあるが,その大部分は複数の宗主国搾取の爪跡であり,遺産をどう評価するかが注目される。 セレンバン・ネゲリ・センビランの宮殿 マラッカとクアラ・ルンプールの中間にあるミナンカバウ族のイスタナ・スリ・メナンチ宮殿で木造高床造4階建塔屋1階,1902〜1908年に完成,設計者は現地人ツカン・タイブとツカン・カハルである。 建物の塔の高さ56フィートの大規模建築物で釘を全く使用していない。この宮殿には大臣のトアン・ムハマドが1906年から1931年まで住んだ。(日本建築学会編『東洋建築史図集』p. 84,p.179掲載) クアラ・ルンプールの建築 ■現代建築 ペトロナス・ツイン・タワー ・設計:Cesar Pelli & Associates Inc. 1996年建設,高さ451.9m,88階,回教マークを平面図形とした,世界最高のビルで石油公社の事務所。 ・K.L.タワー,高さ421.0m,1993年建設,GLより300mの位置に360度視界の展望台あり。 ・ケン・ヤング事務所設計の一連の環境共生ビル。メシ=ガビル14階建,セントラルプラザ27階建など。 ■植民地時代の建築 ・旧連邦事務局ビル,1897年建設 ・最高・高等裁判所,1890年,オランダ様式 ・中央駅,オランダ・イスラム建築様式,1911年,設計:A.B.Hubbac ・ショップハウス,オランダ植民地時代,構造・規模ともマラッカのものと同様で再開発で減少しつつある。 ペナンの建築 ■現代建築 ・コムター65,超高層の複合ビル,S造65階建で,事務所,S.C.,映画館,レストラン,バスターミナルなどが入る。1970年建設,設計者:Kompleks Tun Abdul Rozak ・UMNOタワー:ケン・ヤング建築事務所設計の環境共生建築,高さ109m,21階建,1998年建設 ■植民地時代の建築 ・セントジョージ教会 (ギリシャ様式),1818年建設 ・シティホール(ビクトリヤ様式),1903年建設 ・マレー鉄道ビル(時計塔ビル),1907年建設 ・コーンウオリス要塞,ポルトガル植民地時代の建造物,設計Madras Artilleky,1786年建設,1853年改修。 |
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〈英和設計企画〉
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Architects Kanto-Koshinetsu Chapter 2001