Q.1 登録建築家制度とは何ですか?
●ブル夫:国際建築家連合(UIA)基準と同等以上の資質、能力、倫理性を備えた人物に「登録建築家」の資格を与え、建築物の質の向上、建築文化の創造・発展に寄与し、社会の利益に貢献することを目的とした制度なんだ。具体的には「資格の付与」と「情報の公開」が2本の柱となっていて、「情報の公開」は市民が安心して建築家を選び設計監理業務を依頼できるように、登録建築家の情報をインターネットなどを通じて広く社会に公開することになっているんだ。
●テン子:国際建築家連合(UIA)基準が記載されたUIA倫理綱領を読んでみたけど、建築家の在るべき姿が誇らしく書かれていて、あらためて身の締まる思いがしたわ。
Q.2 登録建築家になるにはどうすればよいですか?
●ブル夫:登録建築家の審査は建築家認定評議会で行なわれる。現在は年1回の頻度で審査しているね。登録申請に必要な書類は6種あって、申請書、誓約書、一級建築士免許証コピーの他は、経歴と設計監理業務のポートフォリオ、5年以上の実務経験報告が主な内容だよ。インターネット入力が原則だけど、郵送でも受付けている。インターネット入力であれば審査手数料は10,000円。ログインのためのID番号はJIAの会員番号、パスワードは全会員に送られているはずだけど、事務局に問い合わせれば教えてくれるよ。
Q.3 JIAの会員であることのメリットって?
●ブル夫:JIAは様々なかたちで会員をバックアップしてくれているね。
●テン子:毎月届く『建築家architects』に加え、隔月で届く『Bulletin』、そしてJIAのホームページやメルマガは情報としてのバックアップになっている。「建築家の業務・報酬」、「建築の設計・監理に関わる法的責任と権利」、「JIA建築設計・監理業務委託契約書(小規模建築向け)」などの頒布図書や頒布資料はとても実務に役立っている。会員であれば、いくつかあるJIAの顕彰制度にも応募できるし、建築家賠償責任保険(ケンバイ)、JIAグループ保険にも加入できるね。
●ブル夫:なにより、JIAで毎年開催される大会や会合、委員会や部会、地域会の活動に参加して、諸先輩や仲間と出会い、交流できるということが大きなメリットといえるんじゃないかな。
Q.4 JIAの関連図書で、最近のオススメは?
●テン子:なんといってもお薦めしたいのは『建築家って』(編者:JIA20年史編集会議 発行所:株式会社日刊建設通信新聞社)という本! これはクライアントを含めた異業種の人たちにも建築家を知ってもらい、私たちが読んでも自分の進むべき道やJIAのことが本当に良く理解できる内容になっている。購入先は日刊建設通信新聞社ね。
●ブル夫:『「環境建築」読本』(編者:JIA環境行動委員会 発行所:株式会社彰国社)も必読だね。その他にもJIAの出版図書には技術、業務、デザインに関しての書籍やレポートが数多くあるよね。リストはホームページに掲載されているね。
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『JIA建築設計・
監理業務委託契約書』 |
『建築家って』 |
『「環境建築」読本』 |
Q.5 JIAには図書館や資料館はあるのですか?
●ブル夫:現在は図書館の機能を持つスペースはないんだ。他団体やJIA会員自著などの寄贈本は、JIA館4階の事務局入口横のスペースに一定期間展示して紹介されているね。
●テン子:資料室としては、JIAの業務委員長、参与、顧問を務められた橋本喬行(たかゆき)氏(所属:日建設計都市・建築研究所)が収集し、まとめた資料が、JIA館5階の〈橋本文庫〉に全資料の目録とともに保管されている。「外国における建築設計等の実体調査報告」「設計者選定問題」「JIA顧客満足度調査」など、Q.4で紹介したJIAレポートの元となる資料もそろっている。橋本文庫は、JIA本部事務局の安田さんに予約すれば会員のだれでも閲覧することができるわ。
Q.6 建築家としての職能を磨き続けるにはどうすればよいですか?
●テン子:建築家はその資格だけで職能が保証されるわけではなく、常にその職能を磨き続けてこそ建築家といえる。そのためには、CPD(継続職能研修)制度を大いに利用したほうがいいわね。
JIAが主催する認定プログラムとしての研修のほか、自主研修として、機関誌への執筆、委員会、見学会への参加、奉仕活動も取得単位が認められている。さらに、関連団体の主催するセミナーなども対象となることがあるわ。CPDの内容は大きくは5分野に分れていて多岐にわたっている。言ってみれば栄養みたいなものだから5分野をバランス良く取得することも大切ね。
●ブル夫:登録建築家は3年間で108単位のCPDを取得しなければ、原則として登録を更新できない。もちろん、登録建築家でなくてもこの単位数を目安にCPDを取得することをお勧めするよ。自主研修申請は、毎年年度末までに申請をしなければ翌年には無効となってしまうので、インターネットからこまめにCPDの登録をする習慣をつけるといいね。
Q.7 設計監理業務以外で建築家としての職能を社会で活かしたいと思います。
●ブル夫:JIA会員としてできる社会活動は数多くあるよね。
建築相談委員会では、JIA会員が一般市民を対象として、法規制や設計の相談、技術的な問題、工事費の問題などの相談の依頼を受けている。教育文化事業委員会では、建築を学ぶ学生を対象としたスクール、顕彰、展示などの活動を続けてきたし、各地の小中学校の教育の現場にJIA会員が作成した教育プログラムを持って参加する「子ども建築・街づくり教室」も試行されているね。顧客支援システム委員会では、一般市民と建築家を結ぶシステムができあがり、住宅分野から先行して運営が始まっているよ。
●テン子:住宅部会では、市民を対象として、建築家の社会的役割や存在を広く知ってもらうことと、これから家を建てようという方々に役に立つ情報を伝えることを目的として、部会員が講師となって年間40回以上のセミナーを開催している。このように、委員会や部会活動に参画することでも社会活動の一端を担うことができるよね。
●ブル夫:非常時にもその職能が求められる場面があるんだ。JIA本部には災害対策委員会があり、大規模地震の被災地における被災者への支援活動を組織化して進めている。JIAが活動する地域において震度6以上の地震が発生するとJIA災害対策本部が設置され、対策マニュアルに則った活動方針が決められ、Webサイトを通してボランティアの募集などが会員に広報されるんだ。僕はこの夏の中越沖地震の被災地にボランティアとして出かけたよ。
Q.8 クライアントと問題が起こっています。
●テン子:JIAの顧問弁護士の松浦基之弁護士(所属:TOKYO大樹法律事務所)は建築の分野に詳しい弁護士さんね。JIA会員であることで松浦弁護士に相談や業務を依頼する場合の特待はないけれど、いざという時のためにお名前を憶えておくわ。
Q.9 建築関連イベントを企画しているのですが、よいスペースはありませんか?
●ブル夫:キラー通りに面した7階建ての白い建物がJIA館、その東側に建築家会館本館がある。
JIA館1階の小ホールでは2007年の春と秋に計16回もの建築家展が開催されたし、今後も様々な建築展や催しに利用できるスペースだ。
建築家会館1階にある47坪ほどの建築家会館ホールは、株式会社建築家会館が運営管理する貸しホールとなっている。利用の案内はホームページに詳しく記載されているよ。 |