私は1972年、34歳で旧家協会(JAA)に入会して以来36年、つまり人生の半分以上を会員として過ごした。入会時のことは本誌200号「“バーに居ろ”と宮脇さんは言った」と題して書いた。私は本部理事2期4年間の他、支部幹事、住宅部会長、支部ニュース編集委員長、広報委員長、職責委員会委員、建築家会館取締役などを務めて、コキ使われつつ古希になったが、今それを悔いてはいない。むしろ役職を通じて先達はもちろん後輩も含む多くの優れた建築家の知己を得たことで報われたと思っている。
いま懸念しているのはバーの閉鎖である。宮脇さんの助言に従ってきた私としては居場所がないのだ。建築家会館が“処士横議の場”という前川國男の提言で建設されたことを考えれば、バー部門は赤字でも全く差し支えなく、バーの閉鎖を議決した建築家会館の役員会は、株式会社の定款に明文化されているか否かに関わらず、実質的に背任行為をしている。これは支部の財政問題とも関連する。バー閉鎖の一つの理由は利用率の低迷とされているが、それは支部の多くの活動が会館の外へ持ち出され、会館内の集まりが減った結果の悪循環である。JIAは支援金などの曖昧な形ではなく会費を必要なだけ値上げし、建築家会館からの借り入れスペースを増やすべきで、必要なら家賃単価を上げてもいい。諸会合(会館外で行なわれている地域会例会やブリッジの会など)を再び会館内に取り込むことによって、会合が終わった後の参加者の一部がバーで知り合うチャンスを拡大することが必要だ。
会費値上げによって退会するような人は、アクティブ会員ではないから退会されてもかまわないので、それで少数精鋭になったほうが会員であることの誇りを持てると思う。今の会員の中にはJIAに具体的なメリットだけを求めている人も少なからず居るらしいが、「組織に何かしてもらう」ことより、「自分が組織のために何ができるか」を先に考える人こそ会員に相応しいので、そうすれば具体的なサービスの受益ではなく、会員であることの誇りというメリットが生まれる。それが職能団体としての真の姿であろう。
「館の幻影・1、四家族の共同住宅」
(大学院在籍中の1968年に設計した処女作。
『都市住宅別冊・住宅第4集』掲載。本写真は筆者撮影) |
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