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| JIA Bulletin 2008年2月号/仕事 | |||
| 自然を生かした日本の空間造り | ![]() |
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| 曹洞宗建功寺住職/庭園デザイナー/多摩美術大学環境デザイン学科教授 枡野 俊明 氏 |
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| 海外に出て、初めてわかる日本の良さに日本の四季がある。冬枯れの景色には、どことなく寂しさを感じるが、そこには冬ならではの美しさがあり、春の新緑の時期には誰しも気持ちがウキウキとし、木々を通ってきた清らかな風を思いっきり吸い込みたくなる。梅雨や秋も同様にそれぞれの楽しみがある。このように日本人の生活は、それぞれの季節、それぞれの時期に密接にかかわりをもって生活を楽しんできた。 一方で、日本の空間造りは、いかに四季の変化のある「自然」を室内に取り込んでいくかということである。手付かずの自然を身近に置くというのではなく、自然を象徴化し庭園という形をもって取り込んできた。日本の空間造りは、いかに室内空間にまで庭園空間を引き込むかということでもある。具体的にいえば、室内にはその季節に相応しい調度品を置き、花を生けることから始まり、建具、食器や衣服に至るまで季節尽しのもので室内を飾る。それを季節ごとに入れ替えをするためには、室内空間を出来るだけ「空」な空間にする必要があった。季節ごとの飾りにも十分対応させるための智恵である。庭園という外部空間と室内空間の関係性を徹底的に深めていくのが日本の空間造りの特徴である。この点に重きを置き空間造りをしている国は他には見当たらない。日本の空間造りは、庭園も建築もインテリアも一体の空間造りを目指さなければ成り立たないことを意味している。
西欧の考えは、室内空間をどこまでも外部へ広げていく方法を取る。解りやすくいえばインテリア的要素が屋外に出ていくと考えればよい。特に、建物際は、このような傾向が強く、建物との距離を置くごとに、次第に風景としての庭園が作成される。従って、西欧の外部と室内空間とは別物であっても成り立つのである。ここに日本と西欧の空間に対する設えの違いを見ることが出来る。私は日本庭園を中心に空間を考えることを専門としている。近年では庭園のみに留まらずホテルなどのロビーラウンジなどのインテリアや、建築物そのものもデザインする機会があるが、これらも一貫した理念の下に空間を創らなければならないという考えに基づいて活動をして来た結果である。もちろん、建築家とコラボレーションする機会も多くある。 今、加速的に国際化する現代社会において最も大事なことは、日本人が長年に渡って築き上げてきた美意識や価値観を、現代の都市や建築、外部空間を初めとする空間造りの中にいかに生かしてゆくかということである。この意識を持つことが、世界の中で高い水準を持ちながらも、日本固有の文化を継承していくことと考えている。 日頃、日本庭園という外部空間に携わっている立場からすれば、質の高い日本空間を造り上げてゆくためには、プロジェクトの初期段階から計画に参画してゆくことが不可欠であり、建築計画が固まってから相談などありえないということをご理解頂きたい。 合 掌
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| 〈曹洞宗建功寺住職/庭園デザイナー/多摩美術大学環境デザイン学科教授〉 | |||




